「キス」が目的になる旅をしよう

キスって最近いつしました? 最愛の人とギュッと抱きしめ合って。そんな絵画作品があります。女性の幸せそうな表情から、この男性の愛に包まれている様子が伺え、見ている方も思わずうっとりです。これ、ウィーンが生んだ19世紀末のオーストリアを代表する画家グスタフ・クリムトの『接吻』のこと。今年で亡くなってから100年という画家ですが、作品は今でもファンを魅了しています。

クリムトって愛に自由すぎる?

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© SLASH

クリムトといえば、独特の色使いと華やかさをもって、美しく印象的な女性像を描き続けた天才ですが、「モデルに触れないと描けない」と言っていたとかで、生涯独身ながら多くのモデルと愛人関係にあり、ウィーンには彼の子供が30人はいたといわれます。一方で、代表作『接吻』で描いたとされるクリムトの良き理解者にして最愛の女性、エミーリエ・フレーゲとは生涯プラトニックな関係とも言われ、女性関係について、その真相はかなり謎なのだそう。しかし、喜びに溢れた、恍惚の瞬間を覗かせるモデルの表情は、一度見たら忘れられず、なんとも幸せな気分になれます。

作品を観れば感じられる女性へのリスペクト

どんな愛であったにしろ、女性を神々しく描いたクリムトなのだから、女性たちを誰よりも賛美していたはず。彼が発する女性への愛に浸りながら、クリムトの素晴らしさを認識するにはやはり作品そのものをウィーンで観るのが良いでしょう。まずは次の場所へ訪ねることをオススメします。

「ベルヴェデーレ宮殿」

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©WienTourismus/MAXUM

まずは、先に紹介した『接吻』のほかにも、20点以上に及ぶ、世界最大のクリムト・コレクションを有している「ベルヴェデーレ宮殿」へ。作品以外にも、クリムトに関連するものがあちらこちらに。ちなみに、宮殿専用のワゴン車には旧約聖書を題材にした有名なクリムトの作品『ユディトI』が描かれています。

真摯なクリムトを間近で感じられる

「美術史博物館」

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©WienTourismus/Peter Rigaud
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©KHM-Museumsverband

写実的な人物画と模様のような平面的な装飾の作品が印象的で、今でも若い女性に人気のクリムトですが、ちゃんとした人物描写で壁画なども描いています。こちらでは、現在期間限定で、クリムトが描いた壁画を間近で見られるよう見学台が設置もされているのです。彼を知るには、こういったウィーンの各地で、作品を“感じる”ことから始めるといいかもしれません。

「クリムト・ヴィラ」

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© Klimt Villa, 2018

クリムトの作品が生まれた実際の場所をウィーンでは観に行くこともできます。世を去る1918年まで、ウィーン13区に構えたアトリエが往年の姿に再現され、一般公開されています。当時の記録や写真に基づき、綿密に再現されたアトリエ。恋人やモデルたちと過ごした巨匠の日常生活と創作環境の追体験もできるんです。

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100年の時間が経つ、
ウィーン・モダニズム(世紀末芸術)

100年前の保守的なウィーンではタブーともされた、真っすぐな愛でエロティシズム表現を特徴としたクリムトは、もしかしたら時代に恵まれたのかも。19世紀末のウィーンは、民族意識が頭をもたげてハプスブルク帝国の支配が陰り始め、混沌とした時代となりました。人々の関心は文化面に向かい、まず芸術面でこれまでの殻を突き破るような表現がされるようになっていったのだから。
この画期的な時代は「ウィーン・モダニズム(世紀末芸術)」と呼ばれ、クリムトの他、画家のエゴン・シーレやプロダクトデザイナーのコロマン・モーザー、
建築家オットー・ワーグナーら代表的な芸術家4名(なんと没年が全員1918年で今年100周年という偶然の一致!)などが遺した足跡は、いまもウィーンに多く見られます。

「セセッシオン」

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© WienTourismus/Christian Stemper

先進的アーティストのモダンな展覧会場として建築。建築当時、通称「金のキャベツ」と呼ばれた月桂樹の葉による球形のシンボルは市民の物議を醸したといいます。

「ウィーンツァイレの集合住宅」

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© WienTourismus/Christian Stemper

壁面に花模様のタイルや金の装飾が用いられた集合住宅。様々な装飾が施された建築物の多い当時のヨーロッパでも、ウィーンのこの建物は画期的なものだったはず。

「市営鉄道駅」

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© WienTourismus/Christian Stemper

建築家オットー・ワーグナーによりデザインされた、ウィーンで今でも現役の地下鉄の駅舎。現代にあっても馴染めるモダンだけど品のある景観をつくっています。

「オーストリア郵便貯金会館」

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© WienTourismus/Christian Stemper

ワーグナーによるモダニズム建築のマイルストーン的な建物で、当時、世界で生産されるアルミニウムの6分の1がこの建物に使われたと言われています

「ロースハウス」

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©WienTourismus/Peter Koller

過度の装飾を嫌ったこの建物。皇帝はこの建物の眺めが嫌で、真向かいの王宮の窓を塞いでしまったほど。当時一般的だった窓の上のひさしがなく「眉毛のない家」と呼ばれていました。

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日本人が魅了されるのは日本美術の影響も

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© s. Klimt Villa

頽廃的な時代の雰囲気をうまく表現し、いまも愛される作品をつくったウィーンの芸術家たちですが、日本人が馴染める点では別な面も。

表現に金を使ったり、余白を多く残す構図の作品が特徴的なクリムトは、尾形光琳に代表される琳派の大和絵などに興味を持ち、日本流=ジャポニスムが大きく影響していたといわれます。ダイナミズムがありながら、漂わすエロティズム。どちらの展覧会が開催されても、行列ができるほど現在でも人気なのはそういった共通性を感じる部分。日本人には馴染みやすい芸術ってことかもしれません。

クリムトの魅力を直に試してみては?

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© WienTourismus/Peter Rigaud

正直、100年も前の世紀末ウィーンがどんな社会だったのか。その時代を生きていないから、何ともいえませんが、この先、どんな世の中になるのかは、現代も、世紀末ウィーンでも、社会に対する気持ちは変わらないのかもしれません。そんな時代だから、現代においても、多くの人が、クリムトの作品に胸を打たれるのかも。

不安だから、純粋に表現された「愛」に魅了される。

そんなクリムトの作品に本当にうっとりさせられるのか、実際に眼前にして試してみるウィーンの旅っていうのもありかもしれません。

現地に飛べば、「情熱のキス」がお迎えします

ちなみに、実際に行ってみると見つけられますが、ウィーン国際空港に降り立つと、手荷物受取所の一面に『接吻』が描かれた壁が待っているのをご存じですか? クリムトの作品詣での手始めに、ここで同じようなポーズでキス写真(本物の作品前では撮影できないかも⁈)を撮ってからスタート…なんてしたり、ウィーンで愛を感じる旅にでるのはいかがでしょうか。

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