ちょっとだけ「食べどき」を逃したお野菜たち
冷蔵庫の奥の方で、あるいは台所の隅っこで、見るも無残な姿になってしまったお野菜たち。ああ、またやった……心のなかで手を合わせ(合掌)、人差し指と親指でつまんでゴミ箱へポイッ。
人生には必ず訪れますお別れのとき。とはいえ、トホホな気分をもう幾度味わっているのでしょう。毎度の自己嫌悪でございます。
そんな折、ベルギーの写真家Dombrecht Wesleyさまがやってくれました。「成長する過程や腐敗した姿」のお野菜たちが、まるで完成形のような美しさにございます。
熟してなければ食べられない、腐ってしまえばなおさら。“食べどき”を逃しておきながら、キモチ悪いだの、お腹こわすだの、私たちはなんて自分勝手なのでございましょう。
Wesleyさまのお創りになる世界観とはいきませんが、少しだけ時期を逃してしまったお野菜の行く末を見守ってさしあげる度量を持ちたいものと思う次第であります。