「日本女性」がこのドレスを纏ったら、きっともう、敵わない。
華やかなオリエンタル柄のドレスと、きらきらの笑顔で喜びをあらわにしてくれる女性たち。こう見えても、彼女たちがしているのは「和装」だ。
着物ドレスと呼ばれる洋装+和装ミックスのジャンルの中でも、新たな台頭を見せるこの着付け。着物をリメイクしたドレスではなく、着付けの仕方によるもので、ハサミも針も糸も使っていない。ドレスを脱いだ後に同じ着物で伝統的な着付けをすることだって可能。
着物本来の美しさを、新たな表現方法で見事に開花させている。
7分で魅せるマジック
『麻衣 ~Soul Dress~』(マイ ソウル ドレス)と名付けられたこの着付けを独自開発したのは、ヘアメイクアーティストで着物クリエーターの坂本 麻衣(さかもと まい)さん(写真左)。
美容師として13年、ヘアメイクアーティストとして10年のキャリアを持つ彼女は、着付けも4年以上プロとしての実績を持つ。これまでは伝統的な和装の着付け中心だったが、妹さんの結婚式をきっかけにドレス型の着付けを構想し、約半年で現在のオリジナルスタイルに行き着いた。
麻衣さんの着付けで驚くべきことは、着る人の体型やサイズは限定しない上、ミニ丈も可能だという。ウエスト周りも比較的ゆったりしているため、妊婦の人が着たって苦しくない。
その上、着付けに掛かる時間はたったの7分前後だという。
着物の新たな可能性と、
着る人の歓びを引き出す
結婚式、披露宴、ウェディングの前撮りや、演奏会や発表会といった特別な日のために、『麻衣 ~Soul Dress~』を選ぶ人が増えている。
母親が若い頃に着ていた着物、祖母が残してくれた着物、成人式や披露宴で1度着た限りの着物など、大切でありながらも活かし方が分からない着物を持っている人は、相談のうえ持ち込みが可能。思い入れのある着物が時を経て、形を変え、着る人も着物も輝く方法のひとつとして、選ぶ。
ヘアメイクも着付けも、和装でも着物ドレスでも、麻衣さんが表現する思いは一貫していた。日常生活によって曇りがちだが、本来は誰もが内側に持つ「光」に焦点を当てる。
しばし日常から離れた装いを身に纏えば、歓喜の声が上がる。こみ上げる喜びで声にならない人も多く、思いを涙にして表す人まで。麻衣さん自身が最も喜びを感じる瞬間だ。
年齢も体型も選ばない
自分を解放できる時間
女性たちの輝く場を増やすため、麻衣さんは美意識を共にするプロ達と新たな提案を開始。
『麻衣 ~Soul Dress~』の着付け、ヘアメイク、写真撮影まで、トータルなスタイリングと撮影が含まれた撮影会を始めたところ、告知開始直後から問い合わせが来るようになった。
「わたしはわたし」をテーマに、年齢も体型も制限なし。一人ひとりに最大限寄り添った撮影会を心がけている。
いつの間にかつくってしまった自分の枠から飛び出し、可能性を信じて輝くきっかけにしてほしい。
一枚の衣とひとりのアーティストが、自分も知らなかった本来の美しさに気づかせてくれる。自信を胸に、あと一歩を踏み出す力となってくれるだろう。