【ラブリ】いま、僕らが“旅”と言っているもの vol.1

スマホの登場は、僕たちの旅を大きく変えた。

旅先であっても、親指ひとつで多くの情報を得ることができる。まるでそこに住んでいるかのように現地の生活に溶け込めたり、いま自分がいる場所へ自動車を手配することもできる。SNSのおかげで、現地で知り合った誰かと帰国した後もつながり続けることだってできる。

わずか5年前と比較したって、できることが圧倒的に増えたのは明白。だから、テクノロジーの時代を生きる僕たちは、いまこそ「旅の再定義」をすべきではないかと思う。

現実から逃げることじゃない。絶景を眺めるだけじゃない。かといって、ただローカル体験をすることでもない——。

いま、僕らが“旅”と言っているもの

旅のあり方が変化していることは肌感覚ではわかる。でも、これだ!という明確なアイデアがあるわけじゃない。

「日常も旅になっている」と言うのは、ファッションモデルとしてだけでなく、詩や写真等のクリエイティブ活動でも多くの支持を集めるラブリさん。

彼女の頭の中には新たな旅を定義するヒントがあると考え、普段から親交のあるTABI LABO代表・久志尚太郎が話を聞いた。今日から7回に分けて、毎日公開していく。

vol.1 制約から解放された結果、遊び方が増えた「旅」
vol.2 場所よりも大切な要素とは何か
vol.3 自分の知らないものを自分が見れている幸福感
vol.4 心の躍動をイマジネーションする
vol.5 やりたいことは決めておくか、その場で発見
vol.6 何も得られない瞬間もある
vol.7 「非日常」の始まり

旅に「温度」が生まれるようになった

久志 昔って、みんなが『地球の歩き方』を見て旅をしていたんだよね。心配だから父親に相談したり、旅行代理店で値段を確認したりもしてた。しかも、現地に着いてからもその心配は消えない。風景なんて眺める余裕もなくて、とにかく事前のスケジュール通りに動くのに必死だった。

ラブリ うん。もう変わってるよね、それは。

久志 でも、いまはAirbnbやUberを使って、現地に溶け込めるようになってる。面白い人をTwitterやInstagramでフォローして、遊んだりもできるし。

つまり、体験したいものを指定すれば、簡単に体験できるようになってきてる。昔だったら一ヶ月くらい時間がかかっていたものが、半日くらいでできるようになっている感覚。しかも、その濃度も濃くなってる。

ラブリ Instagramで、「ここに行きました」っていうストーリーをあげられる。誰かと交流するツールが多くなったよね。見られてないかもしれないけど、それを発信できる。なんか遊び道具が増えた感じ。だから、旅の面白さの幅が広がったんじゃないかなって。

世界一周しました、ではなくて、誰と過ごすのか?どこに泊まるのか?誰と出会うのか?まで考えられるようになった。旅に温度が生まれたんじゃないかな。

久志 ラブリちゃんが考えてる旅ってどんなもの?物理的に移動するだけではないでしょ?

ラブリ そうだね。例えば、地方に行くだけでも、その2時間半の新幹線の中で自分が何をするかが大切。詩を書いたり、本を読んだり。そこに到着する時間だって十分楽しいものなの。


To be continued...

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。