スペイン最年少の三ツ星ミシュランシェフが、ディナーを週末限定にする理由

説明する必要がないほど、「サステイナビリティ」という単語は、日本でもよく耳にするようになりました。

最近では多くのメーカーがリサイクル素材を使った製品を作り、家電分野でも「いかに省エネで環境に優しいか」を競っています。「エコ」という言葉が漠然とポジティブなイメージを持っていることもあり、企業にとっては新しいマーケティング手法として活用しやすく、消費者にとっても省エネ製品を利用することで節約に繋がるという経済的なメリットがあります。

とは言っても、日本におけるサステイナビリティは金銭的インセンティブと企業のマーケティングとしての要素が強く、どうしても表面的になりがち。私が住んでいるスペインとは、少しその様相が異なります。

スペインにおけるサステイナビリティとは、バランスが取れた生き方・働き方、そして社会のあり方を意味しています。人・企業・社会全体のバランスが取れ、持続的に発展出来る環境を創るための行動指針、いわば「軸」であり、製品をより多く売るためのマーケティング手法とは少し違うのです。

実際に何が行われているのか、いくつか例を紹介したいと思います。

自然だけでなく従業員にも
「とにかく優しい」

日本でもスペインの食文化は広く知られるようになりました。サン・セバスチャンなどの地域を訪れる日本人も増えているようです。

そんな中、サステイナビリティに対して本気で取り組むシェフがいます。スペイン国内最年少でミシュラン三つ星を獲得。昨年9月、西麻布に「ENEKO Tokyo」をオープンさせたエネコ・アチャです。

バスク地方にある彼のレストラン「Azurmendi」は、国内外から多くの人が訪れる世界有数のレストランの一つです。しかし、このレストランが本当の意味でユニークなのは、単に食事ではなくレストラン自体のあり方。サステイナビリティを謳っているのではなく、レストランと自然との共存に真正面から挑戦しています。

例えば、このレストランでは消費するエネルギーの90%を地熱発電から生み出し、太陽光発電パネルなども利用して自家発電を行なっています。

また、自家菜園を持っているだけでなく地域最大のシードバンクも運営しており、動植物の種の保存にも取り組んでいます。

さらには、自然との共存を目指しているだけでなく、従業員の働き方にも配慮。

世界トップのレストランの一つであるにも関わらず、平日はランチのみの営業でディナーは週末限定。平日もディナー営業すれば確実に収益アップに繋がりますが、働いている従業員は忙殺され疲弊してしまいます。平日はランチ営業のみにすることで従業員を過労から守り、彼らがプライベートも充実出来るようにしているのです。

そうした時間に様々な活動に取り組めば従業員の創造性も意欲も高まります。このように、レストランにとっても、そこで働く従業員にとっても、そして地域にとっても持続可能な環境作りを実践しているというわけです。

Top photo: © iStock.com/peeterv
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