おいしい料理を前にして「この世の終わりだ!」は、最上のほめ言葉
「ブオ〜ノ!」
ほっぺたに人差し指をさしてネジネジ。よく、イタリア料理を食べながらこんなジェスチャーでおいしさを表現する人がいます。
イタリア語で「すばらしい」や「おいしい」を意味するBuono。シチュエーションも使い方も、なにも間違ってはいないだろうからみんなこう言うんでしょうけど、イタリアを長く旅して友人もできたりすると、彼らの「おいしい」の表現方法はじつに多様であることに気付かされます。
Buonissimo!
(ブオニッシモ!=めちゃウマい!)
たとえば「Buonissimo」は、ブオノのさらに強調バージョン。すっごいおいしい、最高!なんてときに、ブオニッシモ!のほうがより感激も伝わりやすいかも。
同じような意味合いで、
Ottimo!
(オッティモ!=最っ高!)
なんて言い方もあったり、
あるいは少し変化球で、こんな表現も。
Squisito!
(スクイズィート!=しあわせ〜!ほっぺた落ちそ〜)
こんな具合に、人によってあるいは感激の度合いによって、「おいしい」を伝える表現もそれぞれ。
ほめ上手なイタリア人なんてよく言われますが、こういう伝え方の妙というかワードを僕らもいくつか持っておけたらなって思うわけです。だって旅行中でも、レストランでも、あるいは友人を招いてのパーティーの場でも、ちょっと気の利いたフレーズでおいしさを表現できるって、いいじゃないですか。
で、僕がいちばんイケてるなぁと、真っ先に覚えちゃったのがこの言い回し。
Fine Del Mondo!
(フィーネ デル モンド!=もう、死んでもいい!)
フィーネ デル モンド、直訳すれば「この世の終わり」といったところ。つまりは「もう死んだっていい」、転じて「後悔なんてひとつもない」みたいな。
たかが料理で大げさ、と言ってしまうのはカンタン。でもどうです?ここまで、おいしさを感嘆するフレーズが、果たして日本にあるかなって。
でもってトスカーナ生まれの友人がこのフレーズ使うときは、決まって両の手のひらを上向きに軽くすぼめて振るんですよ(人差し指ネジネジではなく)。まるでサッカーの試合でファウルをもらった選手が、レフェリーに「なんでだ!」と詰め寄るときのような、あの仕草でね。