究極の三位一体を喰らえ

今から110年以上前の1903年、当時ドイツの租借地だった山東省に位置する青島でビール製造が始まりました。中国で最も古いビールのひとつ、ご存知「青島ビール」です。

海鮮料理は欠かせませんが、もうひとつ山東省といえば水餃子。海の幸、山の幸ともに豊富なこの土地ならではの水餃子を口にすれば、しばし「焼き」のことなんて泡沫のごとく記憶から消えてなくなる!

“海鮮”の上をいく
エビとセロリと〇〇の餃子

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©bochkareva Elenaa/Shutterstock.com

さてその水餃子、もちもちした弾力ある手づくりの皮にも感涙ですが、それよりも驚かされるのは、むしろ餡のほう。
例えば、イカ(皮にはイカスミを加え真っ黒)、サワラ、牡蠣なんかは青島の海鮮餃子の代名詞。目の前の黄海で水揚げされた海の幸を包み込んだ餃子は、そうそう日本では味わえないご当地グルメです。

なかでも青天の霹靂がエビの水餃子。軽く中華包丁の腹で叩いているんでしょうね。すり身とまではいかない一歩手前、ここにニラでも白菜でもネギでもなく、合わせるのがセロリなんです。「虾芹菜水饺」だったかな?

あらかじめ用意しておいたタレ(醤油にニンニクと唐辛子)に、茹でたてをちょこんとつけて食べる。すると、まるで小籠包のように飛び出してくるわけですよ。熱々のスープが。わかっていても火傷しそうなレベルです。

セロリを必然に変える
豚の背脂の役割

そのスープ、いい意味で裏切られるのです。なぜなら“魚介してない”から。実際にはエビの風味はするのですが、そこに感じるフレーバーがもうひとつ。小籠包のように煮凍りにしてスープを餡に加えているというより、ダイレクトに入れた細切れの豚の背脂が熱で溶解し、エビやセロリの水分と相まって出てくる海と山のコンチェルト。

背脂はうま味を増幅するスープとして、弾力と歯ざわりはエビとセロリが担保する。本当によくできてる。三位一体となったこの水餃子、もう恍惚でしかありません!

最初こそ「餃子にセロリ?」と思うでしょうが、口にして納得。むしろシャキシャキの食感を活かすには、セロリでなければならなかった。青島を訪れたら、これだけは食べておかないと。人生の数パーセントは損したようなもん(笑)。

三位一体は再現できる!

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©Kzenon/Shutterstock.com

ロースや三枚肉を買って、脂身だけ切り落としてもいいけれど、お肉屋さんによっては背脂を売ってくれるところも。100円もあれば十分な量が手に入るはず。

細かく刻んだ背脂を粗く叩いたエビのすり身、セロリ(みじん切り)と粘り気が出るくらい混ぜ合わせれば餡の完成。やってみて。

再現料理:虾芹菜水饺
再現食材:豚の背脂
再現度:★★★★☆

Top image: © iStock.com/Min Jing, 2018 TABI LABO



まだまだ、アジアを喰らえ!

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