わたしは、何者かになりたかったんだ。――『ここは退屈迎えに来て』

 

「あたし、今どう見えてる?くすんでない?」

東京に出てきたのは、「東京にいる自分」になりたかったから?地元に帰らないのは、「地元に帰った自分」になりたくないから?高校時代の憧れの彼に会いたくなったのは、自分がいる今ここが、退屈だから。

いつだって気持ちの隙間をちょうどよく埋めてくれそうなものを、自分以外の何かに探してる。いつも「自分を見る誰かの目」で自分を見てる。

そんなことないよ、みんなたったひとりの特別だよ、なんて今の彼女たちには届かない。果てしなくつづくバイパス沿いの、大型ショッピングセンター、本屋とファミリーレストラン。“何者” にもなれない理由を、すこし卑屈に、なるべく安全な場所にいながら探してしまう。

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©2018「ここは退屈迎えに来て」製作委員会


“何者でもない”って受け入れた瞬間、おとずれる退屈。だけど、そこからまた自分の物語ははじまる。胸に、すこしの痛みをたずさえながら。そして気づく、きっとただ、あの子より、あの人より、「退屈」になりたくなかっただけなんだってことに。

 

『ここは退屈迎えに来て』

地方に暮らす女性たちの心情を描いた、山内マリコの同名連作小説集を映画化。東京で就職したが、10年経って何となく地元に帰ってきてた27歳の「私」、そして、元彼を忘れられずに暮らしている「あたし」。日常に充足感を覚えることができないふたりの女性と、ひとりの男性。それぞれの思い、そして現実とは。


監督/廣木隆一 原作/山内マリコ 脚本/櫻井智也 出演/橋本 愛 門脇 麦 成田 凌 渡辺大知 岸井ゆきの 村上 淳 他

10月19日より、全国公開。

Top image: © 2018「ここは退屈迎えに来て」製作委員会
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