「ママチャリ」になくて「BMX」にある謎のパーツの正体
2020年の東京オリンピック・パラリンピックの追加種目(※1)に採用され注目を集めているBMX(バイシクルモトクロス)。
競技で使われるBMX(車両)は、スポーツライドのためだけでなく、近距離の移動手段や“ファッションアイテム”のひとつとしても人気ですが、その多くに、街でよく目にするママチャリにはない特徴的なパーツが存在しているのをご存知ですか?
それは、ハンドルの窪(くぼ)みを横断するようにわたされた棒「クロスバー」。
じつはこの「クロスバー」には、BMXの歴史が深く関係しているんです──。
現在ではストリートスポーツのイメージが強いBMXですが、もともとはダート(未舗装)コースでのタイムを争うスピード競技として誕生しました。
1970年代中盤、アメリカでオートバイのダートレースがブームとなり、まだバイクに乗ることのできない子どもたちが街乗り用の自転車でレースの真似事をしたのがBMXのはじまりとされているのですが、整備されていない荒れ地で全力でこがれる自転車はすぐに壊れてしまいます。
そこで、自転車の強度を高め、さらに“立ち漕ぎ”をした際にもハンドルバーがよじれるのを防ぐために装備されたのが、このクロスバーというパーツなのです。
また、金属製のクロスバーに乗り手の身体が当たった際の怪我を防止するため、バーには柔らかなウレタン製のパッドが巻かれることが多く、そこに企業名やロゴマークなどを配することで広告スペースとして活用されることも多かったのだとか。
ユニークな歴史をもち独自の進化を遂げたBMX......じつに興味深いカルチャーだと思いませんか?
※1/2020年の東京オリンピック・パラリンピックではBMX競技「フリースタイル・パーク」が追加種目に選出された。
※上記、諸説あり。
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