釣りエサの定番「オキアミ」が食料危機を救う?

昔、ちょっとした好奇心で、大型熱帯魚や海水魚用の乾燥フードである「テトラクリル」という商品をつまみ食いしたことがあるが、これが意外とおいしかったのだ。

テトラクリルは「オキアミ」という小エビを使ったもので、オキアミは、一般的には釣りエサとして広く知られている。

が、じつはその資源量の多さや、まだ多用されていない資源ということから、各国で食用化の研究が進んでおり、かねてより注目されてきた栄養価の高い食材なのだという。

オキアミはオメガ3系脂肪酸を含み、抽出されるクリルオイルはサプリメントなどにも使用されているほか、アスタキサンチンが含まれることで抗酸化作用があるため、アンチエイジングや疲労回復、眼精疲労の改善にも役立つとされている。

文京学院大学・外国語学部の3年生7名は「食料危機の解決策としてのオキアミ活用」を研究テーマに、このオキアミの未利用資源としての有用性を実証し、食用として認知を向上させるため、東京都内の実店舗でのメニュー化を実施。

バター風味とオキアミの香ばしさが絶妙にマッチした「いも餅」やおつまみとしても楽しめる「焼きビーフン」、オキアミをふんだんに使った栄養満点な「パワーサラダ」などが期間限定で提供された。現在でも、文京区向丘の「表参道生春巻倶楽部」では「麻婆豆腐ライス」が継続メニューとして食べられるとか。

オキアミは、世界の食料危機を救う新たな未利用資源としての3つの条件、「1.資源量が豊富である、2.安価である、3.栄養価が高い」を満たしているという。身近にありながら宝の持ち腐れとなっていた食材を見直す時が来たようだ。

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