車いすの「新たなモビリティ化」始まる!
最近、街でスイスイ移動する「eスクーター(電動キックボード)」は、もう見慣れているかもしれない。
しかし、車いすもeスクーターと同じように、快適さを求めた“新たなモビリティ”に生まれ変わろうとしていることはご存知だろうか?
eスクーターの先駆者として知られている共有型マイクロモビリティ企業「Bird」が、車いす用のバッテリー駆動アタッチメントの試験的導入をニューヨーク・ブロンクス区にて、開始した。
同社のアタッチメントを取り付けることで、利用者は時速12マイル(約19キロ)で進むことができるそうだ。これ、一般的に自転車をこぐスピードと同じくらいの速度となる。
単純に車いすの速度を上げて走行しようというだけではない。アタッチメントを活用することにより、傾斜地での走行性の向上や市街地への長距離移動を、より安易にするという利点も。Birdチームの狙いはそこにあるようだ。
米メディア「TechCrunch」が、試験運用プログラム「adaptive program」利用者の声を紹介している。聞こえてくる声は、なかなかに好反応のようだ。
「まったく新しい“スピード感”が最高。スーパーに行くなど、日々の用事がとってもラクになったし、普段なら疲れる上り坂でも、アタッチメントがとっても役に立っています」。
プログラム参加には一定の資格が必要ということだが、アタッチメントは無料提供。しかもBirdスタッフがユーザーの元へと出向き、セットアップも実施してくれるんだそう。
日本における「電動車いす」のスタンスは、利用者の安全性が真っ先に上がるだろう。もちろん安全ありきは言わずもがなだが、そこにもう一歩“ユーザー視点”が加わることで、誰でも気軽にトライできるオプション「車いすのアップグレード」が選択肢として増えることは、必ずしもデメリットばかりとは思えない。
快適な車いす生活がより多くの人に届く未来が、一日でも早く訪れる社会を願って。