「廃棄いちご」でつくるクラフトビール。飲むことが「地域の課題解決」につながる
飲むことで地域課題や環境問題の解決の一助となる、そんなサステイナブルなクラフトビールがある。
地域が抱える課題の解決と循環型社会の形成を事業目的とする「アサヒユウアス株式会社」が、次世代に向けたサステイナブルなライフスタイルを提案する「UPCYCLE B」。
これまでにも、「廃棄コーヒー豆」やサンドイッチ製造で発生した活用しきれない「パン耳」などを原料に用いたクラフトビールを展開してきた同プロジェクト。今回その第4弾となるビールが登場した。
千葉県山武市の農園で余ったイチゴを活用した「さんむRED」だ。
コロナ禍でいちご狩りの観光客が激減してしまった観光農園。大量のいちごが残ってしまっていた。廃棄してしまうはずだったそれらを冷凍保存し、シャーベット状にしたいちごを麦汁に加えて発酵・熟成させフルーツビール(発泡酒)に仕上げた。
なんでも、冷凍いちごを全原料の約20%も使用しているそうで、ビールはほんのりピンク色をしている。
気になる味はどうなのだろう……。
いわく、いちごの甘酸っぱさと爽やかなホップの香りで、さっぱりとした後味が楽しめるんだとか。次のひと口を加速させてくれるに違いない。
ちなみにこのビール、開発にはアサヒグループのほか千葉大学の学生も加わったそうだ。産学官が一体となり、SDGsの観点に立ったクラフトビールの開発。
飲むことで地域が抱える課題と向き合う、そんなユーザー側にもメリットを感じる「さんむRED」は、県内の道の駅やレストラン、キャンプ場など13か所で楽しめるそうだ。
さて、今回アサヒユウアスがリリースしたもうひとつの商品もご紹介。
こちらは、県産ブランド杉「サンブスギ」を用いたタンブラー。製材の際にでるおが粉を55%使用して作られた「森のタンブラーSANBUSUGI」は、香ばしい杉のアロマが特長だ。
なんでもこのタンブラー、ビールとの組み合わせが素晴らしいとかで、グラスに注ぐ泡よりもきめ細やかで、ぬるくなりにくいんだそう。
じつはこのサンブスギも、昨今の木材の需要減により管理が行き届かなくなったことで、杉特有の病気「溝腐れ病」にかかってしまうなどのトラブルを抱えている。
そうした背景もあり、売り上げ1個につき100円が山武市が実施する自然環境整備へと寄付される。
山武市の市鳥ウグイスがデザインされたタンブラーは1つ1400円(税込)から。アサヒユウアスのオンラインショップより購入可能だ。
地域のため、社会のため、そして未来をつくり守り続ける姿に、今後も期待が高まる。