結婚は、女性を「健康」で「幸福」にするらしい【研究結果】
多様化する価値観とともに恋愛の在りかたも大きく変化する昨今。よもや「女の幸せ=結婚」なんて考え方が、この時代にマッチするとは思うまい。
ところが、結婚と女性の幸福を裏付けるような、ある興味深い研究結果が。
アメリカの人類学者ジョセフ・ヘンリックによる最近の研究、女性にとって「結婚」は健康状態を良好に保ち、幸福度を高めることにつながるという。つまりは、結婚によって幸せになるってこと!?
前提として、生活環境や文化によって違いはあるものの、「どの社会においても結婚は重要なものであり、人間の制度のなかでもっとも原始的なものかもしれない」と同氏の見解を伝えたのは『The Wall Street Journal』誌だ。
ジョセフ氏の研究をかいつまんでご紹介しよう。
まず、研究のベースとなったのはアメリカの女性看護師を対象とした疫学調査「Nurses' Health Study II」(1989年度版)に登録された25歳から42歳の女性看護師11万6412人。Nurses' Health Studyには、彼らのライフスタイル要因や個人の特徴、行動習慣、健康状態などとともに婚姻状況も記されている。
これらの情報をベースにおよそ25年間にわたり、女性看護師たちの婚姻と健康状態を徹底リサーチした結果、既婚女性は未婚女性と比較し、あらゆる理由での死亡リスクが35%低いことが判明。
また、心血管疾患やうつ病などのリスクが低く、孤独感が少なく総じて精神的にも良好で、目的意識が高く、幸せであることが認められたという。
さらには、現在結婚してはいないものの、過去に既婚歴や別居、死別を経験した女性は、未婚者よりも健康状態が芳しくない傾向にあることも明らかに。
調査開始時点で結婚していた人たちのなかで、離婚者は孤独感やうつ病がより悪化し、社会的統合度が低下するなど、離婚後の健康と幸福に悪影響を及ぼしているという見解に。
健康や幸福に影響を与える要因は、環境変化に加え食事、運動、社会的ネットワークなど多岐にわたる。
ちなみに、同研究における結婚は「初婚」を指す。これは過去の結婚歴による外部変数を減らすため。また、Nurses' Health Studyの記録は、アンケートによるヒアリングが元になっているそうだ。
膨大なサンプルデータではあるものの、1990年代前半に結婚を決めた白人女性、それも専門職のため、女性に結婚が与える影響のすべてと結論づける範囲は限られてくるのは、言うまでもないが。
結婚とは、幸せとは……。
時代とともに当然ながらそのスタンダードも変化している。幸せの定義だって人それぞれ。現代における価値観のなかで、果たして「女性にとっての幸せ」とは、いったいなんなのか──。