南米で、熱関連の死者が160%増加している【調査結果】
2000年〜20004の期間と、2017年〜2021年の期間を比較した時、熱中症を始めとする熱に関連した原因の死者は平均160%増加している。そんな内容が掲載された調査結果が公開された。
これは12ヶ国(アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、コロンビア、チリ、エクアドル、ガイアナ、パラグアイ、ペルー、ウルグアイ、ベネズエラ、スリナム)の情報をもとに、21の学術機関または国連機関と、28人の研究者が力を合わせて作成したもの。
様々な分野について詳細な分析結果が記載されているが、ここでは特に驚きのある内容について紹介したい。
まず、熱に関連する死の一因は気候変動だ。
その中でも熱波は、1歳未満の子どもと65歳以上の人々に大きな影響を与えているとのこと。2021年の異常な暑さを理由とする労働生産性の低下による損失は、220億ドル(約2兆9364億円)にのぼるそう。
また、過去10年間で、多くの地域で高温と干ばつが増加したことによって、山火事の危険にさらされる人口も拡大しているのだとか。これには人間の経済活動による森林破壊も関わっているとのこと。
そして、気候変動は食糧生産視点でも弊害を生んでいる。小麦、米、とうもろこし、大豆の主食作物の成長期間は減少傾向にあるとのこと。これによって、農業に携わる人の生活が脅かされ、食料安全保障にも影響が出てしまう可能性もあるのだとか。
この調査結果は南米の国々を対象にしたものだが、きっと日本でも同じようなことが起きているはずなので、身近でできる環境対策を実施したいものだ。
Top image: © iStock.com/Walter Jimenez