深刻化する「家具の大量廃棄問題」に“無垢を飼う”という新発想で挑む

近年、ミニマリズムの風潮が高まりつつあるものの、依然として家具の大量廃棄は国際的に問題視されている。

そんななか、愛知県の老舗材木屋が創業100年を機に、新たな家具ブランド「Continues.(コンティニューズ。)」をローンチ。木材のプロフェッショナルが手がける、世代を超えて100年使い続けられる家具とは。

無垢を、飼う。
ペットのように「愛着を育む」家具

新ブランド「Continues.(コンティニューズ。)」を立ち上げたのは、材木屋「岡崎製材株式会社」。同ブランドが提案するのは単なる家具の販売ではなく、家具と人が共に時間を過ごし、成長していくという、新しいライフスタイル。材木屋ならではの無垢材は使い込むほどに味わいが増し、適切なメンテナンスを施すことで、世代を超えて使い続けることが可能となる。

注目すべきは、家具のデザインとそのネーミング。シンプルながらも洗練されたフォルムは、どんな空間にも自然と溶け込む。そして、家具には「tama」や「pochi」といった、まるでペットのように親しみを感じられる愛称がつけられている。

「面倒だな、と思うこともあるかもしれないが、経年変化を楽しみながら手入れをして、人と一緒に育っていく、ちいさな家族のような存在になってほしい」との想いから無垢を、飼おう。というコンセプトを掲げたと企画担当者は語る。

また、同ブランドでは使用している限り責任をもって使用者と製品に寄り添う「永久サポート」を掲げており、長年の使用による傷やダメージがあっても無垢材の特性を活かし、職人によって再生することで新たな世代にも使い継ぐことが可能だという。

©岡崎製材株式会社

「使い捨て」は当たり前じゃない
新たな家具との付き合い方

家具の大量廃棄問題は、私たちが想像するよりも遥かに深刻だ。

アメリカでは年間約900万トン、EU諸国では年間約1000万トンもの家具が捨てられており、その背景には、安価な「ファストファニチャー」の普及があるという。しかし、その反動として環境への意識が高まり、こうして耐久性の高い家具への注目が再び集まっている。

ただ家具を「消費」するのではなく、まるで家族の一員のように愛情を持って育てる。それは、大量生産・大量消費社会へのアンチテーゼであると同時に、モノを大切にする心を育むことにも繋がるだろう。

©岡崎製材株式会社

👀 GenZ's Eye 👀

「永久サポート」というサービスは、製品に対する責任感の強さを示すとともに、顧客との長期的な関係構築を目指す姿勢が感じられます。

家具と共に時間を過ごし、経年変化を楽しむというライフスタイルは、現代社会において失われつつあった大切な価値観を思い出させてくれるのではないでしょうか。

Top image: © 岡崎製材株式会社
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。