帝王切開で失われた腸内細菌を取り戻す「うんちミルク」って……?
母乳には赤ちゃんの成長に必要な栄養素だけでなく、免疫力を高め、病気から守る効果があることも知られている。
近年注目されているのが、母乳に含まれる「腸内細菌」の存在。帝王切開で生まれた赤ちゃんは特定の腸内細菌が少ないという試験結果を踏まえ、ある驚きの方法が生まれた……!
まさかの母乳越え
「うんちミルク」って……何?
衝撃的な研究結果が発表された。なんと母乳と糞便を混ぜたもの、つまりは「うんちミルク」を赤ちゃんに与えることで、腸内環境を改善できる可能性があるというのだ。
「IFLScience」によると、この驚きの研究は現在も進行中。帝王切開で生まれた赤ちゃんにうんちミルクを与えたところ、生後6ヵ月まで腸内細菌の多様性が高くなったという結果が出ている。
さすがに抵抗を感じる人も多いだろう。しかし、これは「糞便移植」と呼ばれるれっきとした医療治療であり、健康な人の便を移植することで腸内細菌叢を改善しようという試み。健康な人の糞便には数百種類もの腸内細菌が含まれており、これを移植することで不足している細菌を補い、腸内環境を整えることができるとのこと。
じつは、すでに医療現場でも活用されている。難病である「クロストリジウム・ディフィシル感染症」の治療では高い効果をあげており、近年では潰瘍性大腸炎やクローン病などの治療にも応用され始めているのだとか。
今回の研究は、糞便移植が病気の治療だけでなく、健康な赤ちゃんへの応用も可能であることを示唆している。腸内環境を改善することは、赤ちゃんの健康だけでなく成長後のアレルギーや免疫疾患、さらには自閉症や発達障害などのリスクを減らす可能性も秘めているようだ。
母親の「うんち」が救世主に
腸内細菌移植の可能性
腸内細菌は「第二の脳」とも呼ばれるほど、私たちの健康や免疫、さらには心の状態にも影響を与える存在。もし、一人ひとりの腸内環境に最適化されたパーソナルな「うんちミルク」が実現したら……?
それは、私たちが健康に生きていくうえで今以上に腸内環境に気を配り、積極的にケアしていく未来を予感させる。近い将来、赤ちゃんのミルクを選ぶ際に、腸内細菌の検査結果をもとに最適なものを選ぶ、そんな時代が来るかもしれない。
👀 GenZ's Eye 👀
筆者も帝王切開で生まれ、赤ちゃんの頃から今までずっとアレルギー体質なので、帝王切開で生まれた赤ちゃんの腸内細菌が不足しているというのは説得力があります。ただ、赤ちゃんとはいえ自分のうんちを飲ませるのはさすがに抵抗が......。