【人類の負の遺産】世界の海に散らばる「赤いドクロ」が意味するものとは?
比較的安価でありながら殺傷能力が高いことから「貧者の核兵器」と揶揄される化学兵器。その非人道性から大量破壊兵器のひとつとして使用が大きく制限されています。
そんなものがまさか、世界中の海に眠っている事実を知る人は少ないはず。海深く、密かに投棄された化学兵器・・・。その場所をGoogleマップの上に表示しているのが、「Chemical Weapon Munitions Dumped at Sea(CWMDS)」。地図上に表示される赤いドクロマーク、化学兵器はじっと息をひそめて眠っているのです。
人類の負の遺産
化学兵器の猛威を広く知らしめたのは、第一次世界大戦のとき。連合軍に対し風上から塩素ガスを散布したドイツ軍。史上初の毒ガス攻撃による死者は5,000名に及んだとか。
赤いドクロマークが示す通り、多くの国々が開発を進めていたことは周知の通り。今では「化学兵器禁止条約(CWC)」の成立により、使用の制約が強化されていますが、一部の過激派によって禁が解かれることが危惧されています。
日本にも多くのドクロが・・・
東京にもほど近い千葉県沿岸にも。クリックしてみると・・・。
沈められた年代、生産国や廃棄国。それに情報ソースの記載も確認することができます。
化学兵器の放棄、軍縮の動きは世界平和の実現に向けても喜ばしい取り組みなはず。ですが、1度造ってしまった負の遺産を処理する方法に世界はもっと、真剣に議論し合う必要があるではないでしょうか。
Reference:Chemical Weapon Munitions Dumped at Sea