隈研吾が、手がける「ATAMI海峯楼」 海に溶けこむデザインが素敵すぎる・・・
新国立競技場の整備計画が、ついに決定しました。デザインは建築家の隈研吾(くまけんご)氏。日本の伝統美を現代のライフスタイルに再構築する作風で、洋の東西を問わず活躍する、日本建築界のけん引者です。ここでは、1995年に氏が手がけた、水とガラスとアートに包まれる極上の宿を紹介します。
海に融けこむウォーターバルコニー
相模湾に浮かぶ初島を望む絶景ーー。
一日わずか4組限定、全4部屋。心の贅沢を得るのに、これ以上ない至福の空間。それが「ATAMI海峯楼」です。海を見下ろす高台に建つこの宿は、もともと、ある企業の迎賓館として隈氏が設計・デザインを手がけたもの。2011年より、高級旅館として生まれ変わりました。
全室オーシャンビューの部屋から相模湾を一望できるのは、言うに及ばず。隈氏の意匠は、その海と部屋、さらにはここで紹介する「ウォーターバルコニー(水/ガラス)」が、まるで海に融けこむように境界線を失う、不思議な調和感にあるのかもしれません。
日本の伝統技法を現代にアップグレード
水を循環させた“縁側”によって、建築と海を接続しようという試み。ガラスの箱は水の中に浮かび、水は絶えず溢れ続けてそのエッジを失い、太平洋の水と、建築の中に捕らえられた水とがひとつに融け合う…。
熱海の自然の地形を活かしながら、縁側や庇(ひさし)など水平方向のデザインを取り入れることで、視覚的に境界を配する工夫。「日本の伝統建築はこうした仕掛けに溢れていた」。稀代の建築家はこう言葉を残しています。
隈氏は、このウォーターバルコニーを自身の“エポックメイキング”的な作品になった、とあるウェブマガジンのインタビューで語っています。氏は、そこで水を流すというデザインの難題と向き合い、「水を見せるとき、建築に新たな生命観を帯びる」ことを見出したそう。
一度は泊まりたい
名建築の温泉宿
(ATAMI海峯楼)
木や石などの自然素材を用い、地域や風土に根付く自然の地形と調和しながら、日本ならではのプリミティブなスタイルに落とし込んでいく。建築家・隈研吾のエッセンスを随所に堪能できる宿。そこには、極上のおもてなしが待っています。
1階は、木版画家・徳力富吉郎による荘厳なふすま絵。
壁一面の大きな窓が特徴的なラグジュアリー・スイート《誠波/せいは》。部屋を四方に囲む水の縁側(池)と相模湾が一体に。専有の露天ジャグジー(水着着用)やビューバスで至福の時間を。
こちらは唯一の和室《爽和/さわ》。窓際に海峯楼オリジナルのクッションを敷き詰め、のんびり海を眺めて過ごせます。布団もセミダブルのオリジナルサイズ。
美肌効果があるといわれる熱海の温泉。湯あたりが柔らかく肌に優しい弱アルカリ性です。大窓が開くことで露天風呂になるユニークなつくり。
たった4部屋、だからこそのプライベートなひととき。全館貸切にも対応しているそうですよ。大切な人と大切な時間を過ごしたい人におすすめ。詳細はこちらから。