「浮かぶ」だけじゃない。ヨーロッパの人々が死海を目指す本当の理由
イスラエルとヨルダンの国境にある、南北60km、東西17kmの細長い湖。人が浮き輪もなしにプカプカと浮かんで、やけに気持ちよさそうに本や新聞を読んでいる──「死海」と聞くとそんな光景が頭に浮かぶと思います。でも、それ以上のことは実はあまり知らないという人も多いのでは?
地元のイスラエル人やヨーロッパの富裕層にとって、そこはとてもメジャーな観光スポット。と、言っても彼らはただ水に浮かぶために死海を目指すワケではありません。その真の目的とは一体何なのでしょう。
「温泉感覚」で死海を訪れる
イスラエル人
イスラエル人
イスラエルの人々にとって、死海はとても身近なもの。家族との時間を何よりも大切にする彼らが「週末家族でお出かけしよう!」となったとき、常に有力な候補地として挙がるのが死海なんです。
死海での過ごし方は実にさまざまで、シンプルにのんびりするという人もいれば、中には「皮膚炎になってしまったから」「リウマチを癒すため」といった人たちも。そう聞くと、なんだか温泉旅行みたいですよね。イスラエルの首都・テルアビブから死海までは車で約2時間ですから、イスラエル人にとっては、ちょうど東京から箱根あたりに行く感覚に近いのかもしれません。
オフシーズンのアスリートが「療養」に訪れることもあるという死海、そこには想像を超えた神秘のチカラが備わっているようです。
地球が生み出した奇跡のリラクゼーションスポット
水に浮かぶことばかりがフィーチャーされがちですが、実はこの死海、心身ともにリラックスして過ごすのにもってこいの好条件が揃った「奇跡のリラクゼーションスポット」なんです。
死海があるのは地球上で最も標高が低い海抜−423m。そのために世界中のどこよりも酸素濃度が高く、ここで過ごすと頭がクリアになった気がするんだとか。また、蒸発した水分がフィルターとなって紫外線がほとんど届かないので、日焼けを気にし過ぎる必要がありません。さらに、死海に含まれる「臭素」という成分には精神安定作用があるとされ、死海の周りに居るだけでも心が落ち着くと言われています。
独特の浮遊体験は言わずもがな。初めて浮かぶ時は感動のあまり興奮してしまうかもしれませんが、慣れてくれば、まるで胎内に居たときの記憶が蘇ったかのように心の底からリラックスできますよ。
高級ホテルが建ち並ぶ「極上リゾート」
そして、死海が実は極上のリゾート地である、というのもイスラエル人やヨーロッパの人々を惹きつけてやまない理由のひとつ。死海沿岸の高台には、四つ星、五つ星の高級リゾートホテルが建ち並んでいて、部屋から眺める死海がまた絶景なんです。もちろんレストランの料理やスパなど豪華な施設も超一流。
こんな場所が身近だなんて、イスラエルの人たちが羨ましい!
体が浮かぶ秘密は
塩分濃度30%の水
塩分濃度30%の水
それにしても、なぜ死海では人が浮かぶことができるのでしょうか?その秘密は、「塩分濃度」にありました。
死海の塩分濃度は約30%。これは1リットルの水に300gの塩が溶けているのと同じです。普通の海水が塩分濃度約3%程度なので、約10倍の濃さ。あまりに高い塩分濃度のためほとんどの生物は生息できず、それが「死海(Dead Sea)」という名前の由来となっています。
上の画像のゴツゴツしたものはすべて塩の結晶。これを見るだけでもいかに塩分濃度が高いか想像できますよね。死海の水を舐めると、しょっぱさを通り越して苦いと感じるほど。水に浮かぶことはできますが、顔をつけて泳いだり潜ったりすることは・・・不可能です!
海水とはまったく違う!
肌に優しい塩水
肌に優しい塩水
海水の主成分が「塩化ナトリウム」なのに対し、死海の主成分は「塩化マグネシウム」。だから肌に優しく、唯一赤ちゃんが触れても大丈夫な塩水と言われています。それはつまり大人の「美肌」にも効果的、ということ。
日本でもいまやおなじみのボディケアブランドSABONの人気アイテム「ボディスクラブ」も、スクラブ剤のベースとなっているのは100%死海の塩だって、知ってましたか?
まるで美容オイル!
「クレオパトラも愛した水」
「クレオパトラも愛した水」
死海の水に触れると、まずそのトロリとした手触りに驚かされます。肌にまとわりつく感覚はまるで美容オイルのよう。そこには64種類の天然ミネラルが溶け込んでいて、肌のバリア機能を高める効果に期待できるのだとか。
この水は、古代から人々の健康と美容に貢献していて、かのクレオパトラも魅了したと言われています。現在でも多くのハリウッド女優が美しさを追求して死海を訪れるし、地元・イスラエル人が「健康的で美人が多い」と言われているのも、このことと決して無関係ではないでしょう。
無料で試し放題!「天然の泥パック」
死海がすごいのは、「水」だけでなく沿岸の「泥」も肌にいいと言われているところ。いわば「天然の泥パック」、もちろん無料で試し放題です。死海を訪れると、そこかしこでカップルやファミリー同士が身体中に泥を塗りたくって真っ黒になっているというシュールな光景を目にすることができますよ!
イスラエル人が教える正しい死海の楽しみ方
ここまでコレを読んできた人の中には、死海に行きたくてうずうずし始めている人もいるかもしれませんね。実際訪れる時の参考までに、以下のポイントをチェックしておきましょう。
【ベストシーズンは春 or 秋】
もちろん一年中訪れることはできますが、夏は日差しが少し強すぎ、冬は気温が低すぎるので、春か秋がベストシーズンと言えるでしょう。
【日帰りでもホテルを利用する】
上述の通り、死海の沿岸には高級リゾートホテルが建ち並んでいます。仮に日帰りの予定で訪れた場合も、これらのホテルの「1日利用券」を購入すれば、ロッカールームや塩水を流すシャワー、ビーチパラソルやチェアも使えるので快適に過ごせます。
【浮かぶ→泥パック→岸辺でのんびり・・・のローテーション】
まずはここでしか味わえない独特の「浮遊感」を味わいましょう。続いて天然の泥パックを楽しみます。泥はそこかしこに盛ってあるのでご自由に。泥を塗ったら岸辺でのんびり過ごします。ある程度、時間が経ったら再び死海に飛び込んで泥を洗い流し、また浮かぶ・・・基本的にはこの繰り返しでリラックスするのが王道です。
1日過ごせば、肌はツルツルすべすべ、心からリフレッシュできているのを実感することでしょう。一生に一度は体験しておきたいリラクゼーションスポット、死海。次の旅の候補地に、検討してみては?
SABONがイスラエルで誕生して20年。死海にこだわってきた20年間の集大成のアイテム「Dead Sea Series」がフルラインナップで7月8日に登場します。死海の塩、水、泥だけでなく、死海周辺だけに咲く生命力の高い植物エキスまでを配合したスペシャルなアイテムは、使えばまるで死海に行ったような体験を得られます。
こちらの8周年特設サイトに「Dead Sea Series」の詳しい商品紹介がありますのでご覧いただき、この機会にぜひお試しください!