かつて、ここまでナチュラルなメッセンジャーバッグがあっただろうか
コーデュラナイロンで、防水ジッパー、タフでブルックリンを駆け抜ける本格派…。そんなメッセンジャーバッグが多いなかで、ひときわナチュラルな存在感を放つ、リネン素材のメッセンジャーを発見した。
表情に似合わない、タフさ
āsumは、ブルックリン発のブランドで、気張らない「エフォートレス」なデザインが信条。トレンドに惑わされず、スローなスタイルを目指している。
このとおり、その表情はミニマルながら、リネン素材のドレープ感がいい。ひねられたような優雅さは、撮影用として特別に作られたものではなく、作りそのものがこういった表情になるような縫製になっている。
ハイエンドのファッションとはもちろん違うが、ハイテクとも逆を行く。その素材感こそ、āsumを立ち上げた設立者が、これまで培ってきたところだそう。
驚きなのは、リネンなのにウォータープルーフであること。ただナチュラルなファッションメッセンジャーなだけではなく、ピストでNYをクルージングしても様になる「タフさ」は兼ね備えている。
バックパックと、メッセンジャーの2wayで使用が可能。
この切り返しが、とてもスムーズ。
デザイナーは「プロジェクト・ランウェイ」出身
このリネンが生み出すドレープ感、マテリアルの質感は、まるで彫刻作品のようでもある。事実、āsumは、クラウドファンディングで「彫刻のようなバッグ」という売り込み文句をつかい、資金調達している。
デザイナーは、無名のファッションデザイナーを発掘するアメリカの有名番組「プロジェクト・ランウェイ」で活躍しているだけあって、トレンドに与することなく、今風のミニマルなデザインに仕上がっているのが魅力。
製造できる工場を探すのが非常に困難で、ロサンゼルスでは見つからず、たまたま家族旅行で行った香港でようやく発見。古くから欧米ブランドに関わるマニュファクチャラーと知り合ったのだとか。
白シャツレベルのキレイめカジュアルに、しっかり合いそうな洗練されたデザインは、使い勝手の良さも想像させてくれる。