フランス次期大統領にオバマを!「おふざけ」とも思えぬ署名4.5万人分
「Oui on Peut!」
英語に訳せば(Yes we Can)、聞き覚えのあるフレーズはもちろんあのバラク・オバマの名文句。そのキャッチフレーズを添えたオバマのイメージにトリコロールが異色のこのポスター。
じつはいま、フランスで大詰めを迎えている大統領選の候補に、“ウルトラC”でオバマを担ぎ上げようという動きが。これ、どこまで本気なんだ?
立候補者と見まごう
ポスターが町中に!?
退任からはや1ヶ月、一部報道によればイギリス領ヴァージン諸島で長期休暇を楽しんでいるというオバマが、仏大統領選に本気で出馬?は、現実からいえばムリな話。原則的に18歳以上のフランス国籍でなければ、いくら元米大統領であろうと立候補できないからだ。
だが、そんなことは百も承知でオバマを求める声がフランス全土から聞こえているらしい。
おふざけで始めたオンライン署名
だが、人々はオバマを望んでいた
不正給与疑惑に、同性愛者との不倫疑惑、スキャンダル続出で混迷するフランスの大統領選。立候補者たちにうんざりした国民たちが、どうやらはじめはシャレのつもりでオバマの出馬を求めるオンライン署名サイトを制作したようだ。
さらには、まるで本当の選挙戦に出馬しているかのような、本格的な候補者ポスターまで勝手につくり、町中に貼ってしまった。その効果も手伝って(なのか)、すでにオンライン署名は現時点で45,500件を突破している。
Tシャツやスウェットなどのノベルティまでわざわざ用意し、もうここまでくると、現実の選挙戦そのもの。サイトにある「100万人分の署名を集めてオバマに直談判しに行きます!」には、さすが届きそうにないが…。それでも、ただの“おふざけ”だけとも思えないのが、このオバマ待望論。
社会統合が限界に達しつつある現在のフランスに、米国史上初のアフリカ系米国人の大統領として、多様性を尊重し続けたオバマの政治力や、メッセージ性を本気で求める声の大きさなんじゃなかろうか。人口から見れば、45,000はひと握りにも満たない数字、でもそこに現代フランス人の悲痛な叫びが聞こえてこなくもない。