あの「東京カリ〜番長」が実演! 家カレーがうまくなる3つのコツ
スパイスカレーという言葉を広めた「東京カリ~番長」が、今回はあえて、市販のルーを使った「ちょっとリッチな家カレー」を作るという。
協力してくれたのは、東京カリ~番長のリーダー、伊東盛さん。
市販のルーに記載されているレシピをベースにしながらも、3つの “こだわり” を加えるだけで、いつものカレーとはまったくの別モノに……。そこには、つい真似したくなるワザが盛りだくさんだった!
そんなこだわりの家カレーに合わせるのは、麦原料100%* にこだわった新ジャンル「麦とホップ」。
家カレーと新ジャンル……お手頃価格ながら、どちらも強いこだわりを持つもの同士の、ちょっと変わった(だけどスペシャルな)グルメイベントがスタート。集まったのも、これまたこだわりが強そうな、渋いオジサマたち(笑)。
いやぁ、当日はめちゃくちゃ盛り上がった!
01.
「肉」は別でしっかり焼いて
旨みをMAX引き出す!
「肉は焼くのと煮るのでは、旨みの出方が全く違う」と伊東さん。焼き色がつくまでしっかり焼くことで、メイラード反応という化学反応が起こるのだという。この焼き色が旨みになる。
「なま肉を鍋のなかに入れて煮るのではなく、まずはフライパンで焼く。すると、より肉の旨みと香りを引き出すことができます」
ちなみに市販のルーに記載されているレシピにも「肉と野菜を鍋で炒める」と書いていることが多い。
しかし伊東さんは、肉だけを別のフライパンでしっかり4面焼き、他の仕込みをしている間はアルミホイルに包んで、余熱でじっくり中まで火が通るようにしていた。
今回使用したのは、豚バラ肉。
もちろん、このチョイスにもこだわりがある。
「どんな肉を選んでも、比較的ハズレがないのが豚肉のいいところ。価格も手頃だしね。豚バラ肉は脂もあって、これが溶け出すと旨みにもなるんですよ」
02.
「にんにく」と「生姜」で
旨みと香りを煽るべし!
「にんにくはグルタミン酸が多く、旨みが凝縮されています。且つ、香りも豊かで、この2つがプラスαの要素になって、カレーをさらに美味しくしてくれます」。ポイントは “炒めること” と “みじん切り” だ。
「にんにくは、生のままだとカレーのソースにうまく馴染みません。茶色くなるまできっちり炒めること(これもメイラード反応)で、カレーのベースの旨みや香りになってくれます」
また、すりおろしよりも、みじん切りがいい。「小さな粒として残っていると、口の中で噛んだときにフワッと香りが広がる。カレーの旨みとして溶け出すのにプラスして、口の中でもう一回、美味しさを感じられるのです」。みじん切りのほうが、香りが長持ちするのも、おすすめする理由だ。
生姜も同じく、みじん切りが良い。生姜に旨みはないが、香りが食欲を増進させてくれる。
「僕たちは当たり前のようににんにくと生姜を使います。仲間内ではセットで『GG』って呼んでいるんですよ。Ginger&Garlic。GGちょうだい! って(笑)」
野菜にもグルタミン酸が含まれているので、野菜を入れれば入れるほど旨みは増えるが、それだと具材が多くなりすぎてしまう。そこでGGの出番。必要以上に具材でゴロゴロさせることなく、旨みと香りを底上げできるのだ。
03.
最後の「スパイス & バター」が
決め手になる
「バターに限らず、生クリームやヨーグルトを入れるとコクがアップします。だけどヨーグルトは酸味があるので、好き嫌いが分かれる。そこで今回はバターを」
バターは油脂分も多いため、ソースがなめらかになって舌触りも良くなるという。さらに脂自体にも旨みがあるので、美味しさもアップ。もちろん香りも重要なポイント。
そして、最後にもうプラスαを加えるために、スパイスを入れる。ただし「市販のルーは完成度が非常に高く、それだけでも十分に美味しい」と伊東さん。
もともと高いバランスで作られているルーだからこそ、入れすぎには注意。バランスが崩れない程度に使うようにしたい。
今回チョイスしたスパイスは、3種類。
まずは「クミン」。
「クミンは、日本人が思う『カレー』たらしめているスパイス。市販のルーでもほぼ使われているはずです。だからもちろん、今回の市販ルーにも入っているのですが、さらに足すことで、カレーらしい香りを強められる。つまり “ブースト” ですね」
2つめは「パプリカ」。
「パプリカの香りは、食欲を増進させてくれます。『美味しいなぁ』『もっと食べたいなぁ』なんて気持ちになる香りです。ちなみに辛いのが好きな人は、パプリカの代わりにレッドチリを使ってもいいと思いますよ」
最後に「シナモン」。
「シナモンもカレーパウダーなどにだいたい入っていますが、今回はほんの少し足します。シナモンは独特な甘い香りが特徴で、香りに奥行きが出るのがポイントです」
ただしシナモンは香りが強いので、入れすぎに要注意。ほんの少量を入れるだけで、カレー全体の香りを引き締めてくれるそうだ。4人前なら、クミンは小さじ1杯、パプリカが小さじ1/2杯、シナモンは小さじ1/4杯ほどが目安。
もちろんスパイスにも、火を入れる。
「香りを立たせるために、スパイスが持つエッセンシャルオイルを揮発させなければなりません。今回はサラダ油の代わりにバターを使い、温度が80度前後になったところでスパイスを入れる。するとブワーッと香りが出てきます」
スパイスの香りは、時間とともに和らぐため、調理の “最後に” 鍋に入れるのも重要なポイント。できれば食べる直前、早くとも完成直前には入れたい。
こうして、少しリッチな家カレーが完成!
今回のイベントでは、伊東さんがつくり方をレクチャーしながら調理を進め、参加者も興味津々。しかも、カレーの香りだけで、何本も「麦とホップ」を飲み進める参加者もいたほど(笑)。
そう、やっぱりビールとカレーは鉄板コンビなのだ。
というわけで、完成したカレーを前に「麦とホップ」で乾杯〜。
コクと深みが増した、新しい「麦とホップ」に負けないように、今回のカレーは肉感を強調したとのこと。
さらに、シナモンなどのスパイスのチョイスにもこだわった。
狙い通り、参加者の評判は上々!「これが本当に市販ルーをベースにしたカレー?」と、驚きの声も。
新しい「麦とホップ」との相性もいい。
伊東さんも「麦の味がしっかりあって、コクも深い。やっぱりこだわりが詰まったものは美味しいですね」と絶賛していた。
「麦とホップ」がビッグチェンジ。
ビール好きもうまい! と言う、その秘密とは
イベント参加者にも好評だった、新しい「麦とホップ」について詳しく教えてくれたのは、サッポロビール・ブランド戦略部の豊田崇文さん。
「サッポロビールは創業当時から素材にこだわっていて、140年以上が経った今もそれは変わっていません。そのこだわりを新ジャンルにも落とし込んだものが『麦とホップ』です。各社さまざまな新ジャンルが発売されていますが、『麦とホップ』ははじめて原材料を麦100%*としました。発売から11年が経過した今も麦100%*にこだわりつつ、細かな改良を行なってきました。そして今回、大きく進化させ、ビールに近い味わいの実現を果たしました」
リニューアル最大のポイントは、製法の一部である「仕込方法」の変更だ。
「これまで課題だった、大麦による雑味感や後味の悪さを低減することができました。大麦の旨みを凝縮しつつ、クリアな後味によって何杯飲んでも飲み飽きない味わいを実現できました」
たしかに、麦のしっかりした味わいは本格的なビールを思わせるほどで、深いコクと後味が心地よい。
味付けには副原料を使う方法をはじめ、さまざまなものがあるが、「麦とホップ」がこだわるのはあくまでも「麦100%*」であること。
素材の良さと新製法によって、みごとにアップデートした。
「これまで新ジャンルを敬遠していたビール好きの方々にも美味しいと思ってもらえるはず」と、豊田さんは自信を覗かせる。
やはり作り手がこだわりをこめて作ったものは、ジャンルが何であれ旨い! さっそく次の週末にでも、ひと工夫加えたリッチな家カレーに挑戦してみてはいかがだろうか。相棒には新しくなった「麦とホップ」を添えて。
* 麦芽・大麦・大麦スピリッツ使用
出張カレー料理人。“カレー” をキーワードに、さまざまなヒト・モノ・コトとコラボする「東京カリ~番長」のリーダーとして、全国各地のイベントやパーティーでオリジナルカレーを振るまう活動のほか、カレー教室の講師、雑誌やウェブなどでのレシピ紹介、各種飲食店のメニュー開発や監修なども行う。