『火垂るの墓』のツイートがバズった。そこから僕が思ったことーー ベンのトピックス
ベンのトピックスにおかえりなさい!
世界中で人気があるツイートを検索していたら、こんなを見つけました。
このツイートはフランス語圏では、11月のトップ人気でした。フランスでのバイラルな投稿ですね。
翻訳(意訳かな)すると、
「あなたは泣くはず。
『火垂るの墓』、12月1日!」
つまり、フランスのNetflixでジブリ映画が観れるようになることは、とても大きな話題になっているんです。フランスでもイギリスでも日本アニメは人気がありますが、なかでも『千と千尋の神隠し』や『もののけ姫』といったジブリ作品はオタクだけのものではありません。主流です。
ですから、このツイートから読み取れるのは、ストリーミングサービスにとって日本のアニメコンテンツが重要な意味を持つということです。
日本アニメは、大人と子どもにアプローチできる珍しいコンテンツですよ
まあ、日本人に“日本のアニメ人気”を説明するのは、いまさらだし、おかしいと思うけれど、説明させてください。
日本のアニメの力は――とくにスタジオジブリに関しては、英語圏でもフランス語圏でも大人が楽しめるアニメとして認識されています。一部例外的な作品はありますが、それらの国々の文化ではアニメーションは大人のものではないんです。
例えば、イギリスでは大人たちが『トイ・ストーリー3』を観に映画館に行ったことがニュースになったことがありました。これは1作目の『トイ・ストーリー』が1995年に公開だったので、その時に観た子どもたちやその両親(僕は3歳ぐらいで、お母さんと一緒に行った)が、2010年公開の『トイ・ストーリー3』を観に行ったわけです(ロンドン大学の学生だった僕は、3もお母さんと一緒に観に行ったよ!)。まあ、そういうことがニュースになるぐらいなんです。日本とはちょっと事情が違う。
そんななかでも、日本産のアニメは大人が観るアート映画として認識されています。ただし、英語吹き替え版は子ども用、オリジナルの日本語版(字幕版)は大人用というイメージです。なんだか、これはおかしいけれど……。とにかく、それぐらい日本のアニメにはすごいパワーがある。ファンベースが強い。それに、オーディエンスが広いんです。大人と子ども、両方にアプローチできる珍しいコンテンツなんです。
だからサブスクリプション方式でユーザーを獲得しようとする時、こんなにいいコンテンツはないわけです。「ジブリ映画が観れるなら!」とNetflixに登録する人がたくさんいるのは想像できますよね。上のツイートのいいねとリツイートの数を見てください。なによりの証拠ですよ!
で、これはフランスだけの話ではないんです。イギリスもそうだし、日本もそうです。とくに日本は欧米に比べてDVD文化が残っている国です。だから、Netflixに限らず、ストリーミングサービスを提供する側は、これから日本のアニメやドラマが強化していくと思います。彼らが欲しいのは、日本人のみなさんですよ。