世界で注目されるコロナ対策「ソーシャルバブル」を知ってる?
新型コロナウイルス(COVID-19)の流行がきっかけで、ソーシャルディスタンスやパンデミックなどの新しい言葉やリモートワークなどの新しい生活スタイルが私たちの中に浸透しました。
そこで今、さらに新しい生活の“あり方”が提案され話題となっています。それが今回の記事のテーマである「ソーシャルバブル」。
Withコロナ時代を生きる上で知っておきたいソーシャルバブルについて、早速みていきましょう。
ソーシャルバブルとは?
ソーシャルバブル(Social Bubble)は、日本ではまだあまり聞き馴染みのない言葉かもしれませんが、abcNEWSやForbesなどの世界のメディアでは、6月下旬ごろからこのアイデアが頻繁に取り上げられています。
generally the term refers to family members or close friends who have assumed a collective risk by ‘sheltering in place’ together, or if they reside in different households, restricting close personal contact with anyone outside their selective group
(引用:How To Avoid Bursting Your Social ‘Bubble’ During The Coronavirus Pandemic/Forbes)
ソーシャルバブルとは、家族や友人などの一定人数のグループで同じ場所に滞在し、感染のリスクをそのグループ内のみにとどめようというアイデア。このグループを泡という意味を持つバブル(Bubble)にみたてて名付けられたのがソーシャルバブルなのです。
また、英語のBubbleには「夢のような計画、実体のない事業」というような意味もあり、このアイデアの実現可能性の厳しさを表現しているともいわれているのです。
なんでソーシャルバブルが注目されるの?
新型コロナウイルスの感染対策のために、私たちのスタンダードとなったのが、他人と一定の距離を取る施策である「ソーシャルディスタンス」。スーパーではレジに並ぶ際に以前よりも間隔を広くあける、レストランでは座席数を制限するといった、感染予防策が実施されています。
しかし、このソーシャルディスタンスは完璧とは言えません。今まで当たり前に取れていた「フェイスtoフェイスのコミュニケーション」が取りづらくなってしまうといった欠点もあるのです。
仕事のミーティングはオンライン化され、友達と気軽に会うことも難しくなってしまった......。そのような状況下で、一人暮らしの方は社会との接点が減る傾向にあります。
また、高齢者の方の地域コミュニティへの参加も難しくなっており、孤独な生活を送っている方も少なくありません。新型ウィルスによって生み出された環境がメンタルに影響を及ぼす「コロナ鬱」という言葉まで叫ばれるように。
こうした問題を解決できるのではないかと出されたアイデアがソーシャルバブルです。ソーシャルバブルの考え方では、一定のグループで一緒に社会から距離をとります。そのため、1人感染者が出てしまったときの集団感染のリスクはあるものの、そのグループ内では、相互にコミュニケーションを取ることができるため、ある程度の社会性を保つことができるのです。そのためソーシャルバブルは、感染予防と精神安定の両立ができるアイデアと注目されているのです。
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ソーシャルバブルを取り入れている国
では、どのような国がソーシャルバブルを実際に取り入れているのでしょうか?
ベルギーのソーシャルバブル政策
多くの国でロックダウンが解除されてきた頃、ベルギーではソーシャルバブル政策を実施しました。その内容は、国民に10人の「ソーシャルバブル」を形成することを許可するというもの。週に1度、最大10人のグループでのコミュニケーションの場を設けることが、毎回同じメンバーで行うことを条件に可能となりました。ベルギー政府は7月にはこの人数を15人にするなど、ソーシャルバブルの大きさを調整することで、感染拡大をコントロールしています。
アメリカ西海岸のソーシャルバブル政策
アメリカ・西海岸のベイエリアでは、ソーシャルバブルを形成することが許可されています。詳しい内容はその街によって異なるようですが、12人以下のグループで3週間交流をすることを許可。そして、なるべく屋外での接触を推奨しているようです。サンフランシスコを初めとした、周辺地域で実施されています。
イギリスのソーシャルバブル政策
Support Bubble(サポートバブル)と呼ばれているイギリスのソーシャルバブルは、これまで紹介してきた他のソーシャルバブルと少し目的が異なります。イギリスのサポートバブルは一人暮らしの成人と 18歳未満の子供がいるひとり親の場合に、他の1世帯と一緒にバブルを形成して生活することができるというもの。だれでもバブルを形成できる訳ではないというところがポイントです。
まとめ
新型コロナウイルスという未知のウイルスとの戦いは、「ウイルスと一緒に生活する方法を考える」という未知の環境への挑戦でもあります。新しい生活様式となりえるベーシックインカムやコロナがきっかけでブームが再燃したドライブインシアターなど、改めて注目されている制度やサービスもたくさんあります。こうしたアイデアを知ることが、Withコロナ時代を幸せに生きるためのヒントとなればと思います。
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