かつての「漁の守り神」は、今......
何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。
それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。
アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?
International Whale Shark Day
(国際ジンベエザメの日)
現生する地球上最大の魚である「ジンベエザメ」は、体表面の斑(まだら)模様が夏の和装の定番である「甚平」の柄に似ていることから、そして、英名の「Whale Shark」には文字通り「クジラのように巨大なサメ」という意味が込められています。
発祥は定かではありませんが、今日は、最大で全長約20m、体重20tを誇る海の王・ジンベエザメの存在を祝う記念日です。
1934年、現在の「伊豆・三津シーパラダイス」(旧名:中之島水族館)が近海に設置した生け簀を使って世界ではじめて飼育に成功したジンベイザメですが、3年前、「東京大学」の大気海洋研究所の研究チームが、ある調査結果を米・学術誌『ECOLOGICAL MONOGRAPHS』にて発表しました。
その研究内容とは──“食性”について。
これまで、小さなオキアミやプランクトンといった動物性のタンパク源を大きな口で大量に摂取し、その体躯を維持していると考えられてきたジンベイザメですが、研究の結果、生息域によって個体差はあるものの、相当量の海藻や植物などを栄養源にしていたというのです。
約4km/hほどと、人間の歩く速度とほぼ同じスピードで泳ぐジンベイザメが、ドキュメンタリー映像で目にするようなシャークアタックでラッコやオットセイを襲っている姿は想像できませんが、あの巨大な口で海藻をハムハムしている様子を想像すると、なんとも愛らしいではないですか(笑)。
そんなジンベイザメは、「国際自然保護連合(IUCN)」により絶滅危惧種に指定されています。主な理由は、濫獲(らんかく)と自然環境の大きな変化。
宇宙を目指すのも、ネットの世界の拡張も、人間の未来には必要なこと。
でも、まだまだ考えること、取り組むべきことはたくさんある。
ジンベエザメが暮らす豊かな海を守るためにできることは、ほかにも、きっと──。