ローマ帝国時代のジェンダーに関する事実が、現代を超越していた件
ローマ帝国の性に関しては、私たちが知らないことがまだまだある。
その実態は現代の考え方や性別に関する概念と大きく異なり、私たちの視野を広げてくれるかもしれない。
イギリスのテレビチャンネル「Sky History」では『Sex: A Bonkers History』というドキュメンタリー番組が放送されており、歴史における性と性別に関する実態を深く掘り下げている。
それでは、同番組の初回エピソードで語られた、ローマ帝国の驚くべき性事情をご紹介。
まず、古代ローマは男性同士の性行為関係に対し非常に寛容であったらしく、「ゲイ」という具体的な呼称や行為は存在すらしていなかったそう。
ただし、男性同士の性行為が認められるのは、「上位の社会的地位を持つ年上の男性」と「下位の社会的地位を持つ若い男性」が行為をする時のみ。
また、ローマ市民(政治的・社会的な権力を持つ男性)は自身の体に対して権利をもっているため、性別に関わらず自由に性交渉をすることが可能だったという。現代ではセクハラにあたるような非同意的な行為も当時は容認されており、非市民の性的貫通は“ローマ帝国支配のメタファー”と見なされていたようだ。
さらに、古代ローマ帝国23代皇帝・エラガバルスは、確認されている「史上初のトランスジェンダー」であったとのこと。
だが、厳密に言えばこれは事実ではない。
というのも、私たちが考える「トランスジェンダーの定義」は当時存在していなかった上に、生物学的な性別のカテゴライズに従わなかった人々は歴史上に数多く存在するためだ。
一方、彼(彼女)が女性として呼ばれることを好んでおり、男性と結婚し、その関係において“妻の役割”を担っていた証拠はどうやら実在するらしく、現代的には「トランスジェンダー」として捉えることができそうだ。
現代の性に関する概念や規範は、歴史上においてもかなりリベラルになっていると思いきや、歴史を振り返ってみれば、私たちはまだまだ殻を破れていないのかもしれない……。
性に関するオープンな考え方は近年できあがったモノという認識でしたが、滅亡したローマ帝国の性事情は盲点でした……。
歴史から学び、現代に活かせることは、まだまだありそう。