ビザ非所持で休憩所利用できず。サウジで「聖地メッカ巡礼中」1300人死亡

今夏、全国で40度近い気温を観測し、甲子園や学校のプール授業、花火大会といった“夏の風物詩”も猛暑対策への変革が叫ばれつつある。

伝統をそのままの形で守り続けることはできないのか──? そんな葛藤を抱えているのは日本だけではないようで。

毎年恒例の「メッカ巡礼」
熱中症で1300人以上が死亡

連日、気温が50度を超えるサウジアラビアでは、聖地メッカへの巡礼(ハッジ)中に 1300人以上のイスラム教徒が熱中症により亡くなったという。

小さな子どもから高齢者までが一堂に会する巡礼においても、暑さ対策の必要性は明らか。これは予防することができた事故ではないかと思わざるを得ないが……。

ビザを取得しなかったために
避難所を利用できず

実のところメッカ周辺には、エアコン付きのテントやミストセンター、水分補給エリアといった休憩施設が設けられており、必要なビザを取得すれば誰でも利用できるんだそう。また、さらには公共交通機関の利用も。

ところが、今回熱中症を発症したおよそ8割の人は、ビザを取得していなかった。そのため長時間酷暑に晒され、熱中症を発症してしまったようだ。

十分であったのかどうかは定かでないが、熱中症対策がなされていたにもかかわらず、多くの人が命を落とす結果に。悔やんでも悔やみきれないだろう。

来年、再びこの大巡礼は夏に行われる。酷暑のなか、何万人もの人が集まる行事を開催するリスクを充分に理解し、徹底した対策が求められる。

これからの「夏の宗教行事の在り方」は、どうあるべきなのか。

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