耕作放棄地を、おいしい未来へ。信州生まれのジャンキーな無添加チップス

長野県須坂市に拠点を置く株式会社須坂の暮らしが、ちょっと矛盾した一袋を世に送り出しました。グルテンフリー、化学調味料無添加、栽培期間中の農薬不使用——ここまで聞くと「体にやさしい、味は控えめ」を想像しがちですが、このチップスが目指したのは真逆の「大人のジャンキーな旨さ」なのだそうです。

苔むした岩場に置かれたSORGAM PLAIN CHIPSの赤いパッケージ(80g入り)。ソルガムの穂のイラストと山のグラフィックが描かれている
© 株式会社須坂の暮らし

1粒が4ヶ月で2メートル、ソルガムの生命力

長野県の畑で収穫間近のソルガム(たかきび)。高さ約2メートルの茎の先に茶色い穂が実り、背景には山並みと青空が広がる
© 株式会社須坂の暮らし

主役は「ソルガム」。日本では「たかきび」とも呼ばれる雑穀の一種で、アフリカ原産、世界では小麦やトウモロコシに次ぐ主要穀物のひとつです。乾燥や病害虫に強く、水やりも農薬もほぼ必要としない。たった1粒の種が約4ヶ月で高さ約2メートルまで育ち、穂をつけるというのだから、その生命力にはちょっと驚かされます。

同社が注目したのは、この「手のかからなさ」でした。長野県をはじめとする中山間地域では、農業従事者の高齢化や後継者不足によって耕作放棄地が増え続けています。人の手が足りない土地に、人の手をあまり必要としない作物を植える。シンプルだけれど、理にかなった発想です。使われなくなった畑がソルガム畑として再生し、そこから生まれた穀物がスナックになって都市の食卓に届く——この循環そのものが、商品の背骨になっています

ガラムマサラが壊す「体にいい=薄味」

SORGAM CHIPS(ソルガムチップス)」は、東京を拠点とするクリエイティブチーム「POSTstudio」との共同開発で生まれたシリーズ第2弾。第1弾の「SORGAM BEER」に続くプロダクトです。

原材料はソルガム(実と外皮のブラン粉を丸ごと使用)、米油、塩、ガラムマサラ、ガーリックパウダー。たったこれだけ。アレルギー物質28品目も不使用とのこと(ただし製造工場では小麦・そば・ナッツ類を含む製品を製造しているそうです)

注目したいのは、外皮まで余さず使うことで得られる栄養価。同社によれば、ブラン粉100gあたりポリフェノール2,478mg、GABA 23mg、植物性タンパク質11.1gを含むといいます。それでいて、本格的なガラムマサラとガーリックのパンチを効かせて「体にいいものは味が薄い」という先入観を壊しにかかっている

この「クリーンなのにジャンキー」という矛盾の同居こそ、このチップスの一番面白いところかもしれません。健康志向のスナックは増えましたが、多くは「罪悪感が少ない」ことを売りにしています。つまり「本当はジャンクフードが食べたいけど我慢する」という構図が前提にある。SORGAM CHIPSはその構図自体をひっくり返そうとしているように見えます。我慢の代替品ではなく、素材の力でジャンクな快楽を正面から引き受ける。そこに潔さを感じるのです。

茎も葉も捨てない、一本丸ごとの設計

ソルガムのカスケード利用を示すインフォグラフィック。畑で育てたソルガムの子実・籾殻・茎葉を食品(雑穀米・クッキー・ビール)、資材(内装材・きのこ栽培資材)、エネルギー(バイオマス発電)に分岐させ、すべてが生活(LIFE)に還る循環を矢印で表現
© 株式会社須坂の暮らし

もうひとつ、見逃せないのがゼロ・ウェイストの思想。チップスに使うのはソルガムの実と外皮ですが、残った茎や葉は飼料や緑肥にアップサイクルされ、エネルギー源やきのこの培地への活用も研究中とのこと。一本の植物を丸ごと使い切る設計は、耕作放棄地の再生という入り口と地続きになっています。

「おいしいから買う」でいい。でもその一袋が、誰かの放棄された畑を再び畑に戻している——そう知ったとき、口の中のスパイスの余韻がほんの少しだけ変わる気がしませんか。

SORGAM CHIPS(ソルガムチップス)

【内容量】40g/袋
【原材料】ソルガム(信州産 実・ブラン粉)、米油、塩、ガラムマサラ、ガーリックパウダー
【栄養成分(1袋40gあたり)】エネルギー147kcal / たんぱく質4.0g / 脂質1.5g / 炭水化物29.5g / 食塩相当量0.4g
【価格】40g×10袋入 5,000円(税込・送料無料)※EC販売
【販売】須坂の暮らし公式オンラインショップほか、東京「お取り寄せスーパー つつうら」(豊島区西池袋)、長野県内「にのくらマルシェ」「KUTEN。小布施店」「KUTEN。イオンモール須坂店」「GARARI」「畑と台所 シェアキッチンブース」にて取り扱い

Top image: © 株式会社須坂の暮らし
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