放置竹林が、ラーメンの一杯に変わる。京都で3年続く「メンマプロジェクト」

吉野家グループのキラメキノ未来株式会社が、京都の放置竹林から採った幼竹でメンマをつくるプロジェクトを続けています。2024年に始まり、今年で3回目。しかもその現場に立つのは、地元の支援学校の生徒たちです。

「あって当たり前」の具材だから
物語を載せられる

京都府八幡市の竹林で地面から伸びる複数の幼竹(たけのこが成長した若い竹)と周囲の成竹
© 株式会社吉野家ホールディングス

ラーメンのトッピングとして、メンマほど存在感の薄い具材もなかなかありません。チャーシューや煮卵のように主役を張ることはなく、なければないで気づかない人もいるでしょう。

しかも日本で消費されるメンマの大半は輸入品です。つまり「どこから来たか」を考える機会がほとんどない。

だからこそ、この京都産メンマプロジェクトは面白い。「あって当たり前」の具材に物語を載せることで、食べる側の意識がそっと変わる仕掛けになっています。

舞台は京都府八幡市の竹林。全国的に問題になっている「放置竹林」のひとつです。管理する人が高齢化し、人手が足りず、竹が周囲の森林を侵食してしまう──そんな悪循環が各地で起きています。

キラメキノ未来は、この竹林からまだ柔らかい幼竹(成長して固くなる前の若い竹)を採取し、自社でメンマに加工しています。製造量は年々増えていて、初年度の約700kgから、2025年には約1.2トン、今年は過去最大の約1.5トンを見込んでいるそうです。

支援学校の生徒たちは
「竹林を助ける側」だった

竹林の中で採取した幼竹を作業台に載せ、支援学校の生徒たちと竹林管理者が一緒にノコギリで切り分けている様子
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学校の調理室で幼竹を輪切りにする支援学校の生徒とスタッフ。まな板の上に切り分けられた幼竹の断面が並ぶ
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このプロジェクトで最も印象的なのは、京都府立八幡支援学校高等部との協同です。

今年4月、普通科2年生25名の生徒たちが竹林に入り、幼竹を採取しました。学校の調理室に持ち帰り、刻んで、茹でて、塩漬けにする。メンマづくりの下拵えを、自分たちの手で行ったのです。

7月にはキラメキノ未来の社員が講師となり、生徒たちが同社の主力商品「鶏白湯らーめん」を調理。自分たちがつくった京都産メンマをトッピングした一杯を試食しました。

注目したいのは、この関係の構図です。支援学校の生徒たちは「支援を受ける側」として参加しているのではありません。高齢化で人手が足りない竹林管理者にとって、若い力による採取や運搬は切実に必要とされている作業です。

つまり、生徒たちは「助けられる側」ではなく「竹林を助ける側」として機能している。この関係の逆転が、プロジェクトが3年続いている理由のひとつではないでしょうか。

次にメンマを噛んだとき、味が変わる

調理実習室で完成した鶏白湯らーめんを箸で食べる支援学校の生徒たち。丼にはメンマとネギがトッピングされている
© 株式会社吉野家ホールディングス

完成した京都産メンマは、2026年9月1日から「キラメキノトリ」の一部店舗で、鶏白湯らーめん(塩・醤油・味噌)のトッピングとして提供されます。

キラメキノトリは2013年に京都で1号店を開き、現在は京都・大阪・奈良・滋賀、さらに中国・上海にも展開する27店舗のラーメンブランドです。

私たちは普段、ラーメンを食べるとき「この一杯が社会とどうつながっているか」なんて考えません。でも、もしそのメンマが放置竹林の問題を少しだけ解いていて、支援学校の生徒たちの手を経ていると知ったら──次にメンマを噛んだとき、ほんの少しだけ味が変わる気がしませんか。

京都産メンマプロジェクト2026

【提供開始】2026年9月1日〜
【提供店舗】キラメキノトリ 一部店舗
【対象メニュー】鶏白湯らーめん(塩・醤油・味噌)のトッピング
【公式サイト】キラメキノ未来

Top image: © 株式会社吉野家ホールディングス
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