変わらないために変わり続けるラーメン屋:ドキュメンタリー

1985年に福岡で創業し、現在は世界12もの国や地域に展開するラーメンのグローバルブランド『一風堂』。より多くの人々により長く愛されるラーメンを作るため、彼らが大切にしているのは「変わらないために変わり続ける」精神だ。

「味もサービスもイメージも、変える時はガラッと変えます。来てくださるお客様に、日々『おもしろいことをやってるね』と喜んだり驚いたりしていただきたくて。変わらないために変わり続けるということは、常にチャレンジをしていくということなんです」

具材の調理法、チャーシューの炊き方、スープの色味、麺の食感。変化という努力の跡はいたるところに見られるが、その最たるものが有田焼の器だろう。

有田焼といえば、400年以上の伝統をもつ高級焼き物。それをラーメン鉢に使い、さらに全国展開するには懸念点もあったという。

「それでも、一風堂は福岡で創業したラーメン屋。九州から日本、そして世界へ発信するにあたって、佐賀県の有田焼という伝統ある焼き物を使いたいと思いました」

「豚骨スープやトッピングなど、ラーメンが一番おいしそうに見えるよう広がりのある器になっているんです。機械だけで作るとシャープさが出ないので、最後は全部職人が仕上げています」

職人の技術と知恵を借りて完成する有田焼の器だが、今でも数年に一度はデザインを変更しているという。それもより良いものを目指して「変わらないために変わり続ける」情熱だ。

今年で創業33周年を迎えた『一風堂』。訪れる人々に「やっぱり一風堂やね」と喜んでもらうため、彼らは今日も、変わり続ける。

Top image: © TABI LABO
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。