「今日は書かない」を肯定する。うつ病経験から生まれた、心にやさしい手帳

香川県のフリーランスデザイナー・中瀬一菜(なかせ ひいな)氏が、自身のうつ病経験から生まれたメンタルヘルス特化型手帳『LIFERNY(ライファニー)』のクラウドファンディングを、2026年8月12日よりREADYFORにて開始すると発表しました。

手帳やジャーナリングが「セルフケアの習慣」として注目される一方で、「続かなかった日」に静かに罪悪感を覚えたことがある人は、きっと少なくないはずです。この手帳は、まさにその感覚から設計が始まっています。

書けない日が「サボった日」になる
生活記録表が抱えていた矛盾

LIFERNY Pure(マンスリー)のリフィル使い方解説。左側に「できたことカウント」や月の数字、右側に週間グリッドがあり、顔のシールで気分を記録する方法が図示されている
© 中瀬デザイン研究所

中瀬氏は大学卒業後に香川県庁へ就職しましたが、初めての異動後まもなくうつ病を発症。休職中、県庁の臨床心理士から渡されたのが生活記録表でした。

いつ何をしたか、気分を5段階で記録するシンプルなシート。再生紙にモノクロ印刷された事務的なフォーマットです。

生活改善の効果は絶大だったものの、書けない日があると「サボった」と感じてしまう。命綱であるはずのツールが自己否定を誘発する——その矛盾を、中瀬氏は身をもって経験しました。

退職後も市販の手帳で記録を続け、5年以上の実践を経てフリーランスデザイナーとして社会復帰。「この味気ない記録表を、デザインの力で変えたい」という思いがLIFERNYの出発点になったそうです。

「書かない日」を設計に組み込むという発想

LIFERNY Plain(ウィークリー)の使い方解説。書けない日には「ご自愛シール」を冒頭に貼り、書く日はシールの補助を使いながら1日の出来事を記録する例が示されている
© 中瀬デザイン研究所

LIFERNYの核は、回復段階に合わせて選べる3種類のリフィル(差し替え用紙)です。

最初の段階「Pure」は、文字を一切書かないマンスリー型。顔のシールを貼るだけで気分を記録できます。次の「Plain」はウィークリー型で、書けない日には「ご自愛シール」を貼ることで、その日を「できなかった日」ではなく「自分をいたわった日」に変換できます。

さらに日付が印刷されていない「日付レス仕様」で、1か月単位の販売。途中で止めても空白ページが残らず、再開のハードルが低い設計です。

記録は「管理」じゃなく
「慈しみ」になれる

LIFERNY手帳のカバーを両手で胸の前に持つ女性。クリーム色の帆布とキャメルの革を組み合わせたシステム手帳カバー
© 中瀬デザイン研究所

私たちの日常には、習慣化を促すツールがあふれています。でもその多くは「毎日やること」が前提で、できなかった日は空白として残ります。

あの空白が「失敗の証拠」に見えてしまう瞬間は、メンタルヘルスの当事者に限った話ではないでしょう。

LIFERNYが提案しているのは、記録という行為の意味そのものの転換です。「書けない日」すら設計に織り込むことで、手帳は初めて、持ち主の味方になれるのかもしれません。

LIFERNY(ライファニー)クラウドファンディング

【プラットフォーム】READYFOR「LIFERNY」プロジェクト
【期間】2026年8月12日(水)12:00〜2026年9月30日(水)23:00
【ファーストゴール】50万円
【主なリターン】超早割スタートダッシュセット 7,000円(限定5名)/デビューセット 8,000円/寄贈プラン「あしながおじさん」30,000円/法人向け導入応援プラン 80,000円
【シリーズ】LIFERNY Pure(マンスリー)、LIFERNY Plain(ウィークリー)、LIFERNY Prime(デイリー)
【制作】中瀬デザイン研究所

Top image: © 中瀬デザイン研究所
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