いつも旅のことばかり考えてしまう「トラベルバグ」って、こんな人。
すべての旅人が陥る「病」があるといいます。旅とは、異文化に飛び込み、そこにある「決定的な違い」を目の当たりにする体験だと言えます。そんな非日常から帰ってきた人々は、まず間違いなくもう一度旅に出たくなるでしょう。
ここでは、ライターのSophie Cookさんが「Elite Daily」に寄稿した、トラベルバグについてのお話を紹介しましょう。
01.
旅は勲章のようなもの
旅先では、道ばたで知り合った人が次々と友だちになり、国境を超える毎に知識が増していく。パスポートに刻まれた国の数だけ心が豊かになる。入国スタンプはまるで勲章のようだ。
新しいルールに適応したり、仕事を見つけたり、友だちを作ったり、その反対にふさぎ込むことだって自由。色々な挑戦の場面に出会い、自分の道を見つけ出す。答えを誰にせかされることも無く、自分のスピードでゆっくりと考えられる。
02.
出発した頃の自分に
戻りたくない
旅先で、異文化に触れれば触れる程、今までどれだけ自分が狭い世界で生きていたのかに気付く。しかし、不思議なことに、家に帰ってしばらく経つと、当時の自分にあっという間に戻りそうになる。
03.
友だちや家族と
話が噛み合わない
外の世界を知り、人生はより豊かに、彩やかになっていく。いろいろな環境で日々を過ごし、つぎの目的地へ出発するために深夜特急に乗りこんだ。
しかし、家に帰ると厳しい現実が待っていた。今まで旅先で培ってきたオープンな感覚や視点がどこかへ消えてしまう。当然ながら、家族や友だちは、あなたが実際に見て経験してきた世界の広さを知らない。その環境に慣れてしまうのだ。
懐かしい人々と感動的な再会を果たし喜ぶ反面、違和感は少しずつ増していく。誰かと会えば会うほど、その不安は大きくなっていく。自分がまったく別の世界に行っていたんだということを実感するようになる。
04.
日常が違って見える
周りが気にしていることは、結婚や就職活動かもしれない。しかし、自分の中には、海外で得た新しい常識や現実がある。日常的に入ってくる情報も変わってしまった。一度体験したら、もう違う世界の住人になってしまうのだ。
すべてがこれまでと違って見え、比較してしまう。が、帰ってきた土地は昔と何も変わらない。そこにあるギャップに、つらくなることがあるのだ。
05.
孤独を感じる
それは、成長したという証拠なのかもしれない。新しい知識と視点が、少し孤独な感覚を覚えたり、寂しくなる原因かもしれない。
06.
いつの間にか「変わり者」に
何となく、今までの友だちよりも、変人と呼ばれている人たちのほうが自分に近しい存在に思えるようになる。そして、自分の道を見失い、再出発しなければいけないような感覚に陥る。
07.
取り残されたような感覚
自分をのけ者にして世界が進んでいく。それは新しい旅先でも、なかなか払拭できない。古くからの友人は、みんな未だに同じ場所で、同じ人々と一緒に、出発する前と変わらない生活を続けている。
08.
お互いに理解しあえない
美しい海岸を、改造したキャンピングカーで走る。そんな想い出を、周りはきっと想像できない。その反対に、周りの人も自分の話が理解できないとジレンマを抱えているだろう。
必死に、物語を共有して、伝えたいと思っている。けど、周りの人は、その感情をどう捉えて良いのかわからないのだ。
09.
旅の話は
外国語のようなもの
あなたが話す「外国のコト」を理解できるのは、同じような経験を持った人のみ。それは出発し、成長し、学び、変わっていくという体験なしでは語ることができないコト。
10.
体験は言葉にできない
これまで体験した物事は、シンプルに説明するには複雑すぎる。だけど、どんなに濃厚な体験から培った感覚だって、現実に戻った瞬間にすべて元通りだ。だから、数週間、数ヶ月以内に、また新しい冒険のことを、祈るようにして考えるようになる。
多くの人は、これを「トラベルバグ」と呼んでいる。