母の死を乗り越えたヘンリー王子が語る。「心の傷」の癒し方
英・テレグラフ紙のインタビューで先日、母の故・ダイアナ妃の死がきっかけで心を閉ざし、精神的に苦しい時期を過ごした期間があったことを告白した、英王室のヘンリー王子。
その後、王子はキャサリン妃とウィリアム王子と共に「Heads Together」のキャンペーンの一貫として、精神的に苦しんでいる人たちに向け、メンタルヘルスについて語る動画を公開しました。
どんなにつらくても
「言葉」にする勇気を
「もし、自分以外の全ての人の人生が完璧だと思ってしまうと、問題を抱えていることはおかしいことなんじゃないかと感じてしまう。でも、悩みを打ち明けられる家庭環境があれば、家族の絆も深まるし、仕事や学校での良いパフォーマンスにも繋がるんだ」
続けて、こう語る。
「外傷であればわかりやすいけど、隠れた傷だったら誰にもわからない」
「他の家族や子どもたちを見ると、彼らに自分と同じ経験をして欲しくないと思う。経験を通して、少しでも助けになりたいんだ。抱え込む代わりに、若いうちから“言葉にする”勇気を持って欲しい」
と。
問題が起きた時は、誰かとシェアしたほうが乗り越えることができ、家庭内や外の生活にもいい影響を及ぼすと訴えた。
「何かが変わるわけじゃない」
昔はそう思っていた
兄のウィリアム王子は、こう打ち明ける。
「あの経験が兄弟の絆を深くしてくれた。それでも母親を失ったことについて十分に話してはいなかった」
同感するヘンリー王子。横で聞いていたキャサリン妃はヘンリー王子に「このキャンペーンを通じて気づいたことはある?」と問いかける。
「昔の自分は、なんで過去を振り返らなきゃいけないのか?と思っていた。悲しくなるだけなのに、と。何かが変わるわけじゃないし、母が戻ってくるわけでもない。でもそれは自分を傷つけることになるんだ。よく兄には、落ち着いて母の記憶を思い出してみなさいと言われたよ。ただ、考えることを避けたかったんだ」
普段聞く事ができない、一国の王子とその家族の本音は、いつものきらびやかなイメージとはかけ離れていて、普通の家族の会話を聞いているようでした。ヘンリー王子がずっと胸に閉まっていた「深い傷」を人前で話してくれたなら、あなたも身近にいる大切な人に心を開いてみませんか?