フランスの田舎町を走る「移動式の本屋さん」には、大型店にない魅力がある
これは、フランス国内を走るあるトレーラーハウスのお話です。図書館や本屋へのアクセスが不便な地域へと赴いて、その土地に暮らす人々に本を届ける、移動式の本屋さん。主人公はオーナーのPauline、そして、彼女のトレーラーへと集まってくる本好きな人たちです。
詰め過ぎないことを意識した結果
人々が集まる本屋ができた
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キャンピング用トレーラーを改装して、屋根まで届く書庫にびっしり並んだ約3,000冊の中古本。「La Maison Qui Chemine」には、出版されたばかりの新刊本はありません。それでも、Pauline選りすぐりの蔵書を求めて、人々がやってきます。
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まだまだ書庫を設置するスペースはあるし、一冊でも多くの本を手にとって欲しい、普通に考えればこう思うんじゃないでしょうか。でも、彼女のアイデアはそうじゃなかった。
蔵書で埋め尽くすことよりも、くつろげるイスや机を用意して、訪れた人たちがくつろいで本を選び、空間を楽しんでもらえるようにと、イスや机を置くことを選んだそうです。
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夕方、仕事が終わる時間になると、ひとり、また一人と本好きたちが小さなトレーラーに集まってくるようですよ。彼らの目的は「読書サロン」。知らない人同士がコーヒーを飲みながら、ここで見つけた本や自分の好きな作家について、肩を寄せあい、膝を突きあわせて語りあう様子が目に浮かびますね。
人と本をつなげて
コミュニティを生み出す
ところで、Paulineの本職は空間デザイナーなんだそう。人と人をつなげ、コミュニティの場所をつくるのはお手のもの、といったところでしょうね。それでも、移動することが大前提。だから彼女はそれぞれの土地でできたコミュニティが、自分が去った後も活動を続けてくれることを望んでいるんじゃないでしょうか。
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ちなみにこの本屋さん、閉店後はPaulineとパートナーのRomanの生活スペースへと変わります。
本にも人にも出会える場所。今日もフランスのどこかの村で、本好きたちがトレーラーハウスのドアをノックしているはずです。