新潟の笹団子、進化する先に目指すのはまさかの2020

新潟できんぴらやチョコレートが入った団子が誕生したとか。それも、数百年もの歴史を持つ伝統菓子「笹団子」に詰めちゃったらしい。なんだか不謹慎? そんなことはありません。真相を探っていくと、古きよき郷土菓子のフトコロの深さ、県民の笹団子愛が見えてきました。

陰陽師が新潟の農民を
救うために考案

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笹団子を新潟にもたらしたのは、祈祷を執り行う陰陽師だといわれています。「すべては陰と陽から成る」という陰陽道の考えがベースとなり、五穀豊穣・息災延命の祈りが笹団子に込められるようになりました。おもしろいのは、当時は端午の節句は女の子の健やかな成長を願う行事だったので、笹団子は「陰=女の子」のためのもので、「男の子=陽」には三角粽(ちまき)を使っていたという話。いまも、新潟の古老は笹団子のことを「女団子」と呼びならわすそうです。

笹の葉をほどくと、餅はきれいな緑色。ヨモギを練り込むことが大半ですが、本来はオヤマボクチ(キク科の多年草)を使うのが流儀でした。今では、新潟県の信濃川沿線の山側の地域だけでオヤマボクチの笹団子が伝承されています。

そもそもなぜ笹に包むようになったかといえば、ズバリ「神聖性」と「殺菌作用」。笹や竹は生命力が強いこともあり古代より神聖視されてきました。それから、殺菌作用についても証明済み。笹の葉に含まれる成分が、抗菌、防腐効果をもたらすことが確認されています。江戸で武士が編み出した「笹巻き寿司」の例もありますし。

ハレの日に、お茶うけに。
いまもそばには笹団子

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そんな由緒ある笹団子。現代において新潟県民がどんなときに食べるかといえば、まずやはり「端午の節句」に。それから、お茶菓子や人にあげるお土産として日々の暮らしにも欠かせません。

柏崎市高柳町に住むおばあちゃんに聞いたところ、「毎年7月15日は黒姫山のお祭り。13、14日に笹団子をせっせと作って、15日は田んぼ仕事はお休みにして、朝から山に登って日の出を見ながら団子を食べるの」と教えてくれました。ちょうど笹の新葉が大きくなる時期なので、みずみずしく香りのよい笹が使え、笹団子も抜群においしいのだとか! 笹団子研究会の応援団長・五十嵐祐子さんも「このシーズンの笹団子は県外の親戚に送ると喜ばれます」と言います。

ついでに、笹団子の結び方には何か決まりがあるのですか? と聞くと、「家ごとに受け継がれる形や結び方があるけど、なんでだろうね?」と、当たり前すぎて、深く考えたこともないと首をかしげます。さらに地域やお店、作る人によっても違うのだそうですよ。

笹団子はもう2020年に
向かっている

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こんなに身近な笹団子ですが、若者のあんこ離れが加速、作れるおばあちゃんは高齢化……。そんな事態を憂いて「残していきたい、もっと広まってほしい」と、五十嵐さんは立ち上がりました。自分のお店『ふーど工房ゆうこ』で新しい食材を取り入れるなどして、趣向を変えた笹団子を開発。そうして生まれたのが、「チョコ入り」「きんぴら入り」などの進化形笹団子というわけです。あんこが苦手な子どもが喜んで食べてくれるなど、ねらい通り若い人からの評判は上々。

「今度、自転車レースイベントで出店する予定なんです。笹団子ってコンパクトでカロリーも高いから、自転車に乗ったまま片手で食べられて補給食にぴったりなんですよ」

と五十嵐さん。来たる東京オリンピック開催の2020年は、笹団子誕生からちょうど200年とも言われていたりして。日本人だけでなく訪日外国人にもアピールしていきたいとのことです。

「さまざまある結び方の中からもっとも簡単な方法を探しているところです。笹がむきやすければ外国人でも食べやすいし、笹団子結びを気軽に体験していただくチャンスも! 伝統に縛られることなく、広く魅力をアピールしていきたいと思います」

Licensed material used with permission by ふーど工房ゆうこ
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