限界まで「茶化して」もなお、真っ当な日本茶
真面目な話を冗談めかしてごまかすことを「茶化す」と言いますが、「お茶をひく」「茶々を入れる」「目茶苦茶」「茶番劇」……など「茶」を用いる慣用句はたくさん。そして、その多くがネガティブな意味を持ちます。
例えば「お茶を濁す」も、ごまかしたり、取り繕うといった意。茶道の作法をよく知らない者がお茶を濁らせてしまい、なんとなく抹茶に見えるようにごまかしたことが語源だとか。
諸説ありますが、茶(ちゃ)という響きが持つ可笑しさや滑稽なイメージを、あえてユーモラスに表現しているようです。ネガティブではある、けれどdisではないあたり、日本人に馴染みの深い文化への敬意の表れなのかもしれませんね。
世の中を、茶化そう。
前置きが長くなってしまいましたが、ここに紹介するプロダクトが、まさに「お茶」へのリスペクトの表れ。しかもそれを逆手に取って、誰もが親しみやすいユーモアへと転換してしまった、とびきりウィットに富んだ日本茶なんです。
いやいや、どう見てもこれタバコ。
かなり攻めたパッケージにも驚かされますが、それだけじゃありません。ディテールにもこだわりアリです。
チャバコの味は、あなたの周りの人、特に家族や会社の同僚、取引先などの機嫌に好影響を及ぼす可能性があります。
本来、そこに書かれているはずの警告表示まで、しっかりパロってくるんですから。けれどその実、中身はいたって大真面目。現在では静岡県内の限られた地域でのみ実践されている茶草場農法(※)や、あえて手のかかる有機栽培による生産によって品質を保ってきた、正真正銘のお茶が入っています。
※茶草場農法……茶園周辺で刈り取ったススキやササなどを有機肥料として用いる伝統農法。農業と生物多様性が同じ方向を向いて両立した農法が高く評価され、2013年、静岡の茶草場農法は「世界農業遺産」に認定された。
お湯を注いで、あるいは水に混ぜるだけで手軽に本格的な日本茶が楽しめる。種類は「茶草場深蒸茶」「茶草場ほうじ茶」「深蒸煎茶(オーガニック)」「玄米茶(オーガニック)」の4種類。
あえて「茶化す」という機転の利かせ方、パロディでしかないパッケージもキャッチコピーも、スティック1本1本にまでタバコのフィルターを描く細やかさにしても、いちいち洒落がきいている。けど、そのいずれもが中身は一級品であるという自負を逆説的に誇張しているあたりが、どうにもニクいんだよなあ。
とにかく、「お茶目」なヤツです。
1箱からでも購入可能(ギフトセットもあり)です。