アロマのシャワーにトリップ寸前「生春巻き」

インドシナ半島各国(タイ、ラオス、ベトナム、カンボジア)で好んで食される「生春巻き」ですが、ルーツはベトナム料理。ライスペーパーにエビや豚肉、ビーフンなんかを野菜とたっぷりのフレッシュハーブとともにくるっと巻く、そこは大体同じ。

ですが、それぞれの国ごとにちょっとずつ異なる特長があるんですよね。例えばカンボジア。シラチャーソースやスイートチリだけに頼らず、もうちょっと甘酸っぱいソースでいただく。では、ソースだけが違うのかといえばそうじゃない。ハーブ(クメール語で「チー」)に差あり。僕はこっちの方が大きいんじゃないかと思ってます。

トリップしそうな
香草の力強さ

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© iStock.com/irman

パクチーにしても、ホーリーバジルにしても、レモングラスだってそう、東南アジア最大の湖トンレサップの恵みを受け、肥沃な土地で育ったカンボジアのハーブは、香りも味もとにかく力強い。
指先で少しちぎっただけで、エッセンシャルオイルのフタを開け放ったかのような芳香が飛び散ります。

そんな香草が入った生春巻きを、粘膜に絡みつくほどの湿気のなかで食せば、パンチある薬草系の香りが鼻腔を突き抜け、全身スッキリさせてくれる。口内だけでなく、胃袋を通過して腸内までリフレッシュしてしまう清涼&爽快感。これだけはもう、現地を訪れなければ絶対に味わえない。

ハーブばしばしの生春巻きでトリップしたのは、アンコール・ワット散策の拠点となるシェムリアップの西に位置する街、バッタンバンでのこと。いたんですよ、生春巻きの中にソイツが。

この味、この香り、
間違いなくドクダミ!

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© iStock.com/paylessimages

これはもう疑う余地なし。だってアノ匂いですから。でも、カンボジアの人たちにしてみれば、それは必然。ドクダミは食用ハーブのひとつで、毎日のように彼らの食卓にあがる食材なのです。

陰湿なイメージを持つのは日本人だから。郷に入っては郷に従えです。口にするとバジル、ミント、パクチーなど、他の香草類と混然一体となり、野暮ったくもデリカシーのあるアロマが口中で炸裂。す、すごい……。そして、あの独特の匂いがむしろ調和を生んでいるじゃないか!

以後、生春巻きを自作する際は、決まってドクダミを入れています。大丈夫、もともと「毒消し」として効果もある薬草ですから。ただしよーく洗って。リアルな生春巻きを口にすれば、おのずと口角があがり、このクメール語をスムーズに発せられるはず。「チュガーンニュ!(うまい)」とね。

再現料理:カンボジア版生春巻き
再現食材:どくだみ
再現度:★★★★☆

Top image: © iStock.com/The Jeabster, 2018 TABI LABO



まだまだ、アジアを喰らえ!

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