ミレニアルズにこそ読んでほしい
40代のカレー:不惑のテクニック編

カレーはコミュニケーションツール
ファッションでもあり、アートでもある

©2019 YOSHIHIRO MIYANOKAWA

カレーは普通の人からは1つのテーマに見えるかもしれないけど、僕にとっては無数に細かく分かれてて、1テーマを追求するんだけどすぐ飽きて、次のテーマを追ってたりする。でもカレーにそこまで興味ない他の人からはずっとカレーを追ってるように見えるんでしょうね。

水野さんから見るカレーの世界はどんな細かさで分かれてるんですか?

カレーは料理以上の存在だと思っていて、コミュニケーションツールだといつも言ってる。なかなか理解されないけど、カレーで色々な場所に行ける、色々な人に会えるから。

とすると、コミュニケーションツールとしてのカレーはまだ全然見えてない。ファッションとしてのカレーもあるかもしれない。アートにも広がりそうだし。

インドとかスリランカとかはカレーを料理として突き詰めた先にあるもので、これはこれで果てしないけど、アートとかファッションとか考えたら他の側面もいっぱいあって、どうしていいかわかんなくなるよね。そういう細かさでカレーを追っている。

今度ベトナムに行って、その次はジャマイカに行くんだけど、カレーのイメージがないところに行って「カレーとは何か」を追求するのは、そういう “料理を超えたもの” を追求したいからかもしれない。

なるほど。社会学的なアプローチですね。カレーでそれを追求するのは面白い。

あと最近、カレー店のシェフを集めて「スパイスサーカス」っていうキャンプイベントをやってるんだけど、これもシェフたちがお客さんのことを完全に忘れて自分のためだけにカレーを作ったらどうなるのか、を見たいからやってるんだよね。

「自己中?」と思う人もいるかもしれないけど、それが僕のカレー道なんだろうね。世の中のためになってない自覚はあるけれど、多くの人のために生きられるのは立派な人。その素養がないなら身の程を自覚してね、水野という人間がひとり存在することで、どこかにいる誰かひとりが楽しんでくれれば十分じゃない? と。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。