加速する「代替肉」市場。2021年はどうなる?
世界中が今まで経験したことないような感染症の猛威に震えた2020年。だけど、今年一年のニュースが新型コロナウイルスだけだったかといえば、そんなことはありません。
2020年、ボクらの生活を、そして未来を、劇的に変えるいくつものアイデアがありました。
ということで、ここでは加速する「代替肉」について。人工培養肉から「無印良品」の大豆ミート製品まで、話題に事欠かなかった一年を振り返ってみましょう!
史上初!「ベスト・オブ・ケバブ」に
「肉なし」が選出
まずは、今年3月に紹介したこのニュース。イギリスで毎年開催されている「British Kebab Awards」において、2020年グランプリに輝いたのが、鶏肉でも羊肉でも牛肉でもないヴィーガン仕様のケバブでした。
じつはこれ、2013年の初開催以来、初となる「肉なしケバブ」の受賞。現地でも大きな話題となったそうですよ。
アジアを席巻する
「オムニポーク」日本上陸!
続いて、ゴールデンウィーク明けに届いたこのニュース。
アジア発フードテックの植物性代替肉「オムニポーク(OmniPork)」が、満を持しての日本上陸となりました。
香港、ベトナム、台湾と、アジアの食文化圏に特化して、牛肉ではなく豚ひき肉を再現したことが、アジア各国で広く受け入れられることになった代替肉です。台湾では、オムニポークを使った餃子が飛ぶように売れ、1週間で100万個を販売したお店も現れたほど。
さて、日本での浸透はいかに。
「焼肉用」に開発された「代替肉」のお味は…?
真夏に紹介したこのネタも衝撃でした。
焼肉に特化した代替肉。植物性タンパク質(大豆)を利用したプラントベース食品なんですが、無添加で脂質を一般的な焼肉の半分以下に抑えつつ、タンパク質は約2倍。
食感や風味も焼肉のアノ感じに極力近づけたそう。見た目も……そこそこでしょ? 大豆ミート特有の“におい”もつけダレに漬けることで解消。ヘルシーなネクスト焼肉として、今後注目されるかも?
ミシュランシェフも太鼓判
豚の細胞から作る「人工培養肉」
動物の細胞から人工培養で食肉を作る。もう何年も前から培養肉の研究がなされてきましたが、ついにというか、いよいよ一般人を対象にした人工肉の試験提供を開始したというこのニュースをお伝えしたのが、今年の9月。
豚の細胞を分離した後、培養器のなかで肉の成長に必要なビタミン、糖分、タンパク質などの栄養素を加えていくと、細胞が自然と成長していくんだそう。しかも数週間で食べられるお肉に!
さて、気になるお味ですが……元ミシュランシェフに言わせると「Taste more like pork fat than pork fat.(本物のポークファットよりポークファットの味がする)」だそうです。
「無印良品」の代替肉シリーズに注目!
「無印良品」に大豆ミート製品が登場したのが10月下旬。
温めるだけで気軽に食べることができる「ハンバーグ」に「ミートボール」、料理にすぐ使える「ひき肉タイプ」と「薄切りタイプ」など、用途や料理に合わせバリエーションも豊富。もうトライしました?
冷蔵タイプや乾燥タイプの大豆ミート商品が多いなか、常温保存が可能で、水戻し不要のものもあるため、一人暮らしでも使い勝手の良さは◎。より自分に合った食生活を送るための選択肢になりそうですね。
大豆ミート× ご当地グルメ
全国のうまいものが集まる「久世福商店」より、新ブランド「日本全国ごはんのおとも旅」が登場したのが11月。じつは、これも代替肉を扱った商品なんです。
「地方の肉料理」をテーマにお肉の代わりに大豆ミートを使用し、本場の味をイメージしたごはんに合うお惣菜。地方のおいしい肉料理を大豆ミートで再現しようという、大胆な試み。
第一弾は、宮崎県の「鶏の炭火焼き風」と、愛知県名古屋市「味噌かつ風」。はたして再現度はいかほどか?詳しくは以下へ。
そして2021年…
マクドナルドから「代替肉バーガー」デビュー
11月に入って「マクドナルド」から発表されたビッグニュース。
2021年より、植物由来の代替肉バーガー「McPlant(マックプラント)」を発売すると発表。正直、「ようやく?」といった印象も、これまで「ビヨンドミート」との共同開発で進めてきたパティを、今後は独自に開発、生産していくことも併せて発表。
日本での展開が待ち遠しい!