あえて、お金も時間もかけない宣伝手法「ローファイ マーケティング」に注目!
ブランドに人間味を与える
「ローファイ マーケティング」とは?
「ローファイ マーケティング(Lo-Fi Marketing)」とは、大規模な予算や人的コストをかけずに画像や動画などのコンテンツを制作し、それを使用するマーケティング戦略のこと。
従来のように多額の広告費用をかけマーケティングを行うのではなく、ブランド担当者が自撮りで撮影したり、ブランドのファンがSNS投稿した動画をそのまま使用する例もある。
そもそも「Lo-Fi」とは、レコーディングの際に意図的に品質を下げる録音状態、録音技巧を指し、「品質の悪い」といった意味のスラングとして用いられるHi-Fiの対をなすワード。近年では、かつてのアナログ感をあえて取り入れた音源も人気だ。
ローファイ マーケティングに明確な定義は存在しないものの、低予算でマーケティングを実施する際に用いられることが多い用語。これが支持される理由として、多くのコンテンツに触れているブランドのファン層によりスピーディーに、より頻繁に関わりを持つことができるというメリットが挙げられる。
新米ママパパをインフルエンサーに公募
「パンパース」のSNS施策
赤ちゃん用おむつ『Pampers』でおなじみ「プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)」社は、キャンペーンを行う際に母親インフルエンサーによるメッセージをフォロワーに共有することで、エンゲージメントを高めることに成功した。
コロナ禍の2021年、アルゼンチンで実施したウェブキャンペーン「Now Hiring! New Parents」では、新米ママパパを公式のブランドインフルエンサーとして公募。子育てにおけるティップスや離乳食レシピ、産後ヨガといった投稿動画がSNS上で拡散された。
ちなみにこのキャンペーン、同社はインフルエンサーマーケティングに用意していた予算をママパパに還元したことでも話題を呼ぶことに。
アイデアで直接訴求!
「ダンキンドーナツ」
米ファストフードチェーン「ダンキンドーナツ」は、ライトなショート動画コンテンツで消費者に訴求する。そこには、手の込んだ動画撮影ではなく、クイックでライトな仕上げ。コンテンツ制作にかける時間を大幅に削減し、より多くのコンテンツを配信しているのがポイントだ。
まとめ
ブランドの顧客や顧客になり得る人々は、InstagramやTikTokなどのSNSを使用することによって、コンテンツに触れることが常態化している昨今。膨大な広告予算をかけたコンテンツ制作ばかりが、ユーザーの目に留まるとは限らないのが今の時代だ。
こうした状況にマッチするのが「ローファイ マーケティング」。ブランドの世界観を保ちながら多くのコンテンツを制作するのは大変かもしれない。それでも、現代社会のトレンドを踏まえると、こうしたアプローチの方が有効に働くことにも頷ける。
変化の激しいこの時代、
新しい価値観や考え方が日々生まれています。
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