「蚊」をレーザービームで防ぐ装置が製品化へ
地球上で最も人間を多く殺す、世界一危険な生物として認識されているのが何を隠そう「蚊」なのだ。人間の開発する対策技術も飛躍的に向上するのは必然と言える。
ここで紹介する装置は、飛んでいる蚊を認識してレーザーで撃ち落とす。そうすることで、マラリアを根絶しようという試みだ。
「Photonic Fence」と呼ばれるこの装置は、以下の図のように一定のエリアの四方を取り囲み、蚊が飛行できる高さの範囲を見えないフェンスで覆うことで、蚊の侵入を完全に防ぐことができる。
センサーは生物の種類や性別を区別することができ、レーザーで全て撃ち落とせる仕組みだ。マラリアを持つ蚊も認識できる。
さらに、対応しているのは蚊だけではない。農作物によってくる害虫への対策も可能だ。
もちろん自宅に蚊を寄せ付けないようにすることもできるようになる。価格がどの程度になるかわからないが、まずはレジャー施設などに設置されることになるのだろうか。
この装置は、蚊の体のうち一番脆い羽の部分を目標に最小限のエネルギーでレーザーを放つ。体その物を焼き切らずにあくまで撃ち落すことにフォーカスしたことで人体への影響も最小限に抑え、さらに効果的に害虫を無効化することができる。
開発を行う「Intellectual Ventures」社では、今も製品化に向けて準備を進めており、今年中に改めてアナウンスを行う予定だそうだ。
衛生的な環境を確保できない貧困地域ではもちろん、一般家庭への普及も考えられているため、その影響範囲は広い。痒さやあの羽音を気にせずにひと夏を過ごすことができる未来も、もうすぐそこまで来ているのだ。
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