1927年製のパイプオルガンで『スター・ウォーズ』を演奏してみた(動画あり)

まずは、目を閉じてこのサウンドを聴いてみてください。映画『スター・ウォーズ』でおなじみの、あのテーマソングを演奏している動画ですが…。終わるまで目を開けずにいたら、これがパイプオルガンによる単独演奏だと、信じられる?

1927年製のパイプオルガン
見た目もド派手なら
音色もド迫力だった…

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オルガニストのJelani Eddington氏が奏でる、この見慣れないパイプオルガン。金色にメッキされ、デコラティブな彫像まで施されています。
どう見てもフツーじゃないこの楽器は、1927年ウーリッツァー社が製作した「Mighty Wurlitzer」というもの。劇場や映画館専用のシアターオルガンと呼ばれるパイプオルガンの一種だそう。ネブラスカ州オマハのリビエラ劇場で、実際に使用され、当時の無声映画時代において一大センセーションを巻き起こし、その名を不動のものにした名器なんだとか。

現在、イリノイ州バーリントンの自動演奏楽器コレクター、サンフィリッポさんの個人所有物となっています。同氏は「サンフィリッポ財団」を設立し、世界中から集めたアンティーク演奏器を展示、紹介しています。

さながらシンセサイザーの原型

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5段に並んだ鍵盤の数も然ることながら、鍵盤を取り囲む紅白のスイッチも操作します。どのボタンで、どう音色が代わるのか…皆目見当もつきませんよね。
そこは、プロオルガニストのEddington氏。両手、両足(パイプオルガンは足元にも鍵盤がある)を自在に操り、荘厳な交響組曲テーマ曲を奏でていきます。

エンターテインメントの極み
“ひとりオーケストラ”


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8,000本のパイプからは、80種類の音色を出すことができるようです。教会などに設置されたパイプオルガンとの大きな違いは、ドラムやシンバルなど、複数の打楽器を連動させた自動演奏機能を搭載している点。

財団のページによると、20世紀初頭に製作されたパイプオルガンのなかで、「最も汎用性の高い“オーケストラ”シアターオルガン」と称えられる、エンターテインメント性の高い世界有数のパイプオルガンなのは間違いなさそう。

生演奏を日本橋三越で

ところで、ウーリッツァー社製のパイプオルガンは東京・日本橋三越本店にも設置されており、今でも定期的にオルガニストによる演奏が実施されています。毎週、金・土・日の午前10時、正午、午後3時の一日3回中央ホール2階からの生演奏、美しい音色を生で楽しんでみては?

 Reference:The Sanfilippo Fondation
Licensed material used with permission by RJE Productions LLC

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