香港に現れた1000m超の高層ビル「ザ・パール」とは?

人口密度が世界でもトップクラスに高い香港では、増え続ける人口や土地の問題が懸念されています。

そこで、高さ1kmを超える超高層ビルの建設が発案されました。

ビル内部には高級マンションはもちろん、ショッピングセンターやジム、公園までが完備され、最新鋭のセキュリティと高性能の防火設備を備えます——。

……実はこの話、9月21日(金)公開の映画「スカイスクレイパー」に登場する架空の超高層ビル"ザ・パール"のこと。

映画とはいえ、実際に人間が1kmを超える超高層ビルに住むことはできるのか?

今回は、東北大学大学院工学研究科の教授であり、建築批評家としても活躍する五十嵐 太郎氏に詳しく話を聞きました。

五十嵐 太郎

東北大学大学院工学研究科 教授
2010年からせんだいスクール・オブ・デザイン教員を兼任
あいちトリエンナーレ2013芸術監督 
博士(工学)、建築史・建築批評家 

”ザ・パール”のような高さ1kmの超高層ビル建設は「可能」

©2018 TABI LABO

ーーさっそくお聞きしたいのですが、実際に”ザ・パール”のような高さ1kmの超高層ビルは建設できるのでしょうか?

五十嵐:大手ゼネコンや設計事務所から出ている計画だと1km程度は可能なようですね。

ーー技術的に可能なんですね、そういった高層ビルはどんな特徴を持っているのですか?

五十嵐:特徴は床面積を稼ぐこと以外に違った機能を各フロアに入られることなんですよね。

例えば、ホテル、ジム、レストランやオフィスなどを組み換え可能で入れられるということです。

その点はクルーズ船と似ていますね。

ーークルーズ船ですか?

五十嵐:クルーズ船には客室があって映画館やレストランが入っていて、乗務員も入れると5000人近く乗っていることになります。

小さい街が動いているような感じですよね。

「エレベーター」が鍵になる

©2018 TABI LABO

五十嵐:また高層建築においてはエレベーターを確保できるか?という問題もあります。

ーーどういうことでしょうか?

五十嵐:オフィスビルだと1日の中で上下に移動する人がたくさんいますよね。だからエレベーターをどう入れるかというのは建築計画学上、すごく重要な鍵なんです。

ビルの上層部を住居にして住む人の数を減らせば、自然と人の行き来を抑えられるのですが、そのかわりめちゃくちゃ高級なマンションになるでしょうね。

エレベーターを入れるほどその分の床面積を削ってしまいますし、ビルが高ければ高いほど、エレベーターは必要になります。

ーーん〜難しい問題ですね。

五十嵐:そこは工夫が必要で、特定の階でエレベーターの乗り換えをしたり、停まる階を限定したりしています。

例をあげると、六本木ヒルズでは2階建てのエレベーターを導入して輸送力を上げています。

まだ実際に使われてはいないのですが、技術的には横にも行けるエレベーターが開発されているんですよ。

現実と映画のリアルな関係

ーー今回映画に登場した"ザ・パール"で興味深い部分やリアルだなと感じた部分はありますか?

五十嵐:ビルの外観デザインが「龍」を象っていますし、ジャオ(ザ・パールのオーナー)の部屋の階段は大理石で躍動感があり、分かりやすいものが好まれる中国では評判になるだろうなと思います。

©Universal Pictures

五十嵐:あと風力タービンのシーンもありましたが、ビルにこうして風力発電を組み込むアイデアはあまり見たことがなくて面白いなと思います。

風がしっかりと強ければ、発電もできるのでしょう。

©Universal Pictures

ーー”ザ・パール”が建設された場所の香港に関してはどうでしょうか?

五十嵐:香港は細く垂直な高層ビルが昔から多いですね、日本の感覚からすると不安になるような建物もありますが…。

香港の大型フェリーが停泊する九龍(クーロン)サイドの海辺に建設されたという点も興味深いです。

ーーと、言いますと?

五十嵐:このエリア周辺には高層マンションがなくて、香港サイドのウォーターフロントもオフィスビルが中心なのです。

そんな場所に居住スペースを含んだ”ザ・パール”のような超高層ビルあるというのは特別感がありますね。

映画だからといって空想物語でなく、現実の空間と映画のストーリーがどう関係しているか、きちんと設定されている映画は面白いなと思います。

シンボルになる超高層ビルには「超富裕層」が住むかも?

©2018 TABI LABO

五十嵐:建築業界では"ザ・パール"のような超高層ビルを「アイコン建築」と言って変わった形状でかつ高層ビルのことをそう呼んでいます。

ドバイのブルジュ・ハリファや台湾の台北101タワーなどの世界各地で見られる高層ビルが代表例ですね。

ーー日本にもアイコン建築はあるのでしょうか?

五十嵐:日本には出る杭は叩かれるためなのかアイコン建築と呼べるものは少ないのが現状です。もし例を挙げるとすると、名古屋のスパイラルタワーズや新宿のコクーンタワーですね。

ーーもし東京に”ザ・パール”のような超高層ビルが建設されるなら、どんなビルになりますか?

五十嵐:まず各テナントが入る複合ビルになると思います。"ザ・パール"のデザインはきっと日本だと受け入れられないかな。

ビル内部の実現は可能ですが、ビルの外側はなるべく地味に作って内部だけ豪華になるステルスな感じですかね(笑)。

かつ上層階のマンションは居住者数を相当減らす必要があるので、”ザ・パール”のような超高層ビルには本当に裕福な人達でないと住めないでしょう。

地方に建てるとしたら、経済的な合理性だけではなく、究極のコンパクトシティをめざして、高齢者層をメインにしつつ、都心に人を高密度で住まわせる政策が必要ですかね。

最後に”ザ・パール”の内部の様子を少しだけ

©Universal Pictures
©Universal Pictures
©Universal Pictures

滝のある公園、最新設備を備えたジム、ショッピングモールと高級マンション。最上階(240階!)の展望台は足元まで透明になり、まるで空中にいるような感覚に。

1km上空に住むような「本気の富裕層」の生活を一足先に映画で体験してみませんか?

『スカイスクレイパー』
超高層、超豪華、超安全な世界最大のビル"ザ・パール"。主人公のウィル・ソーヤ(ドウェイン・ジョンソン)は家族とともにザ・パールに住みながら、ビルのセキュリティシステムを調査する仕事に就いていた。が、突如ザ・パールで大規模な火災が発生。果たして犯人の狙いとは、ウィルが家族を救うため取った大胆な行動とは?


公開日:2018年9月21日(金)
出演:ドウェイン・ジョンソン、ネーブ・キャンベル、チン・ハン、パブロ・シュレイバー、ハンナ・クィンリヴァン、ノア・コットレル、マッケンナ・ロバーツ
監督:ローソン・マーシャル・サーバー

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※必ずしも、希望日にお取りできる確約はできかねます。予めご了承くださいませ。


■応募方法
①「スカイスクレイパー」公式Twitterをフォロー
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■応募期間
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©大阪マリオット都ホテル
©大阪マリオット都ホテル

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