2年後、メジャーリーグから「審判」が消える……!?

スポーツの試合から、審判が消えるーーー。

AIの導入が加速している昨今、プロスポーツ業界の現場仕事ですら、人間にしかできない「はずだった」ものとなったのだろうか。

MLBのコミッショナーであるRob Manfred氏が、先日のESPNの取材にて、2024年のシーズンよりメジャーリーグにロボットの審判を導入する考えがあると発言。

じつは、アメリカの野球業界にとってロボットの審判は特別目新しいというわけではなく、既にマイナーリーグでは「Automated Ball-Strike System(ABS)」と呼ばれるロボットが導入されている。

名前の通り、ABSはストライクゾーンの判定をする技術で、人間の審判と比べてより迅速かつ正確にボールとストライクを判別することができるという。

ただ、ロボットによる判定をめぐっては、今年4月に行われたマイナーリーグの試合で一悶着あったばかり。

© JomboyMedia/Twitter

たしかに微妙で、当のピッチャーも困惑しながらマウントを降りていく様子が見られる。

この判定に対し、「この投球はこれまでの100年間“ボール”だったし、これからもそうあるべき」などの批判が殺到。

このような特殊な投球の判定はまだ完全に対応できていないのか、メディアは「電子ストライクゾーンに慣れるには時間がかかりそうだ」とコメント。

一方で「逆球だから曖昧に見えるだけ」と賛成する声も多く、やはり“人の目”では決着のつかない問題であるようだ。

また、ESPNの調査によると「審判はビデオリプレイを確認するために平均1分37秒を費やしていて、ロボット審判の導入によってマイナーリーグの試合は9分も短縮されたというデータもある」とのこと。

ただ、もう一つ考えなくてはならないのは、AIが導入されれば、人間の審判は要らなくなってしまうということ。

機械と比べて判定に時間がかかるし正確さも劣るかもしれないが、スポーツという「人間の主体性」に関わる業界には、こういった“人間らしさ”も必要なのではないだろうか。

Manfred氏は「ロボット審判の導入は人間の審判を否定するものではなく、ただ試合のスピードアップにつながるものだ」と語る。

とはいえ、実装されれば人が必要なくなるのも時間の問題では?

「利便性」を取るか、すべてを飲み込んだ上で「人間が判断すること」に意義を見出すか。あなたはどう思う?

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