ツイッター&インスタと「真逆」の課金制度を導入したTikTok。業界を制するのは──?

収入源にシフトチェンジが起こりつつあるSNS業界。Twitterやインスタ、フェイスブックでのサブスク制実装に続き、今度は「TikTok」が新たな課金コンテンツの導入を発表した。

ただし、これまでのサブスク制が「クリエイターの認証に定額を徴収する」ものだったのに対し、TikTokが展開したのは「動画の試聴を有料化する」システム。

新機能「Series」は、クリエイターが公開するコンテンツのうち、その一部の視聴を有料にするというもの。

ひとつのSeriesにつき80本の動画をリストアップでき、1ドル〜190ドルの間で試聴料金の設定が可能だという。また、Seriesとして公開する動画は一本の最大時間も20分まで延長されるそう。

クリエイターは着実な収益を得ることで制作の予算を上げられるし、課金してくれるユーザーを獲得するために良質なコンテンツを目指すモチベーションにも繋がるだろう。

いわばクリエイターが「有料プレイリスト」を作成できる機能であり、先日のSpotifyの取り組みを彷彿とさせる。

@tiktoknewsroom

Introducing TikTok Series 🥁 Our new premium feature enables creators to post Collections of up to 80 videos, each up to 20 minutes long 🙌

♬ original sound - TikTok Newsroom
© tiktoknewsroom/TikTok

さらに、一定期間中は設定金額の100%をクリエイターが受け取れるとの報道もある。その後TikTok側がどれほどの手数料を徴収するのかは明かされていないが、クリエイターの挑戦を後押しするには十分な措置といえる。

現在一部のクリエイターのみを対象に提供されているが、今後数ヵ月以内に関心のあるユーザーが利用できるようにする予定だという。

また、Seriesの実装で新たな収益を獲得した影響か、TikTokは広告収入の分配プログラムについてもコメントを発表。いわく、トップクリエイターや著名人といった有力なアカウントの動画に表示される広告からの収入のうち、50%を分配する計画を検討中とのこと。

クリエイターの認証に課金制を実装したTwitterやインスタに対し、クリエイターが作るコンテンツの試聴に課金するシステムを導入したTikTok。クリエイターを中心に捉える方針は同じのようだが、その方法が二分されたのは興味深いところだ。

「拡散・信頼性のためにクリエイターに課金させた」2社と、「コンテンツの質向上に向けて視聴者に課金させた」TikTok。SNSの収益体制が刷新された未来、どちらがスタンダードとなるか注目だ。

詳細はTikTokの公式リリースよりチェック。

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