純資産1000億円企業のCEOが、月12万円でトレーラーパークに住んでいる理由
創業から10年で年商10億ドルを達成した企業のCEOと聞いたら、どんな生活を思い浮かべるだろう?高級スポーツカーにプライベートジェット、美しいモデルや億単位の豪邸などなど…。
「Zappos」は、アマゾンに12億ドルで買収されたことで知られているアメリカ最大の靴の通販サイトだ。社内カルチャーや、顧客至上主義と呼ばれる質の高いカスタマーサービスがよく話題に上る。世界的に注目される大企業のCEOともなれば、きっと豪華絢爛な生活をしているに違いない。そう思う人は多いはずだ。
しかし、CEOであるトニー・シェイの生活は一般的に人々が想像するような億万長者の暮らしのイメージには結びつかない。
以下に、ビジネスニュースを取り扱うwebサイト「NextShark」に掲載された彼の生活を紹介する。革新的な企業文化を作り上げた彼らしい斬新なスタイルには注目だ。
家賃月12万円で
キャンピングカー生活!?
「ABC News」がインタビューを行った動画によれば、トニー・シェイは今、ラスベガスのトレイラーパーク(キャンピングカーを停めたり、設置されたトレーラーハウスに宿泊できる場所)に住んでいる。
元々は3億5千万ドル(約430億円!)かけてホテルを建設する予定で土地を購入したが、そこにあったコミュニティの大切さに気づき予定を変更。パークをそのまま残したのだとか。
彼が支払っている家賃は月950ドル(12万円ほど)。そこで暮らす人々と共にボブ・マーリーを歌い、コミュニティで飼育されているアルパカと生活を共にしているという。まるでバックパッカーのようでもある。
彼はこれまでに10箇所ほど住む場所を変えてきているそうだが、その中でも最も好きな場所がこの「Airstream Park」だという。本人はこうコメントしている。
「ここで過ごす夜が好きなんだ。キャンプファイヤーして、ミュージシャンが音楽を奏でて、皆でジャム・セッションしたり、料理したり。予測できないことがランダムに起こるのが本当に最高なんだ」
「モノよりも体験」
彼が暮らすトレイラーには冷蔵庫やストーブ、シャワーなど、必要なものは全て揃っているようだ。そしてそこには、モノ以上に大切なものがあるとのコメントも。
「モノよりも体験の方が大切だ。ラスベガスのダウンタウンを復興させる意味も含めて、街の真ん中に家族のようなコミュニティをつくっている。そこは、自分たちの力で素晴らしい空間をつくることができる場所。洗濯機もあるし、動物もいる。キッチンや映画用の大きなスクリーンも。毎晩、大家族でみんなそれぞれのいいものを持ち寄って集まるんだ」
パークには20台のキャンパーバンと10台のトレーラーハウスがある。彼はその他に9つの空きスペースを、作業用として確保しているそうだ。
トニー・シェイが語った
幸せの秘訣とは?
彼は世界最大の靴の通販サイトを運営していながら、自身ではたったの4足しか靴を持っていないことでも知られている。持っているのは、家で履く用のビーチサンダルとスリッパ。それに、スニーカーで入れない場所へ行くときのために持っている「Donald J Pliner」の靴が2足だけ。
「お金で幸せは買えない」というと言い回しが古いのかも知れないが、彼こそが「モノよりも体験」を実践している最もいいモデルケースと言えるだろう。
ちなみに、「幸せの秘訣があるとすれば何だと思う?」と質問された際に、彼はこう答えたそうだ。
「退屈しないこと」
Reference:ABC News
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