「善い行い」をしたので、あなたを逮捕します!
警察官が人を呼び止めるケースは、どうしても「犯罪の取り締まり」のイメージが強い。でも、ここカナダ・ナナイモでは、真逆のことが行われています。
彼らが捕まえているのは、善い行いをしている子どもたち。そして、あるキップを手渡すのです──。
褒めて、伸ばす。
彼らが発行するのは、「ポジティブチケット」と名付けらたもの。日本語に訳すなら「善行切符」といったところでしょうか。
たとえば、ルールを守って横断歩道を渡ることができたとき。さらには、ちゃんとヘルメットを被って自転車に乗れたとき。子どもたちにとって、警察官から手渡されるそれはトロフィーのようなものなんだとか。
そもそも、
なぜ始まったの?
彼がポジティブチケットを考案したウォード・クラッパム氏。同国で3番目に大規模な警察組織、王立カナダ騎馬警察隊を率いることになった際に、青少年の犯罪と不良行為への対処法としてこのアイデアを思いついたのだそう。ちなみにこのチケットは、レストランでの食事や映画の入場などに使えます。
「Harvard Business Review」によると、クラッパム氏が率いる警察隊は、年間平均4万枚のポジティブチケットを発行。この数字は違反切符として発行するものの約3倍。結果的に、青少年による犯罪は半減し、約1,000人が法の裁きを受けずに済んだようです。
こうしてカナダから始まったポジティブチケットのムーブメント。今では他国へも広がっており、これまでに世界中で約100万枚が発行されているそうです。
「褒めて伸ばす」を具現化したこのアイデア。いつか日本でも見られるかも?
Reference:Harvard Business Review
Licensed material used with permission by Eric Gonzalez