エコサイクルでいいことばかりな「花王」の植物工場「SMART GARDEN」

「花王」が清掃工場から排出されるCO2を回収・精製できる設備を利用して、独自の植物工場「SMART GARDEN(スマートガーデン)」を構築したらしい。

持続可能な3つの循環システム

この植物工場では、3つの循環による持続可能性をコンセプトに、ローマカミツレとローズマリーの栽培を行っている。

1:CO2の循環利用
佐賀県佐賀市の清掃工場から出るCO2をCCU(Carbon dioxide Capture and Utilization)により回収・精製し再利用。「スマートガーデン」では、このCO2を植物に与えることで、生長速度が約20%向上できたという。
※化学工学会第89年会(2024年3月18~20日)にて発表予定

2:水耕栽培による水の循環利用
今回の栽培では水を繰り返し循環利用することで、露地での栽培品と比較して水使用量は約40%に抑えられたそうだ。
※化学工学会第89年会(2024年3月18~20日)にて発表予定

3:再生可能エネルギーの利用
使用する電力をすべて、地熱、水力発電といった再生可能エネルギーにすることで、CO2の排出削減へ。

環境負荷軽減と
植物の育成促進を同時に叶える

©花王株式会社

さらに、空調、日照など植物の生育に必要な環境を常時モニタリングし、温度や照度などの栽培条件を高度管理することで、水耕栽培での実績が少ないローマカミツレやローズマリーの量産に成功。栽培した植物からエキスの抽出まで一気通貫で行い、高純度・高効能な植物エキスを得ることができる成分制御技術を開発している。

©花王株式会社

結果、栽培した植物を加工して得られた高純度化ローマカミツレエキスと高純度化ローズマリーエキスは、着色の低減や菌の増殖抑制、糖化反応の抑制や肌バリアの改善効果を有することが確認できたそうだ。

この環境負荷低減と植物の生育促進を実現する植物工場 「スマートガーデン」で栽培・加工するエキスは、今後、花王グループの美容と健康をめざした製品などへ応用や、海外を中心に原料として販売していく将来を予定しているとのこと。

© KaoJapan / YouTube
Top image: © 花王株式会社
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