下北沢「Et」。カフェの枠を超えた、カルチャー発信地へ

古着屋や劇場がひしめき合い、常に新しいカルチャーを生み出す街、下北沢。2024年12月14日、この街にまたひとつ、注目のスポットが誕生した。

Et -THE CULTURAL COFFEEHOUSE-」。運営は、「日東興業株式会社」の新規事業部門「SCENIIUS」。現代のコーヒーハウスのあり方を追求するという、挑戦的なコンセプトを掲げている。一体、そこにはどんな想いが込められているのか。

感性を揺さぶる
唯一無二の空間体験へ

Etのデザインコンセプトは、“Cultural Oasis”。設計を担当した「useful architects」の松下有為氏は、「様々なものを“つなぐ”という意味をもつ『Et』として、人が集まりたくなる場所、文化発祥の場となることを意識した」と語る。

1階は、瀬戸内海の洞窟をイメージした、静謐な空間。壁面に沿って波打つ、有機的なフォルムの座席は、まるで隠れ家のような落ち着きを与えてくれる。いっぽう、螺旋階段を上った2階は、一転して開放的な空間が広がる。目の前の公園と一体化したような、シームレスな設計が印象的だ。太陽の光を浴びてきらめく、緑豊かな景色は、まさに都会のオアシスと呼ぶにふさわしい。

「蒸留」が魅せる
未体験のフレーバー

Etのドリンクメニューの目玉は、「ブルームラテ」。コーヒーに蒸留という、近年注目を集める技術を用い、これまでにないフレーバーラテを創り出している。

注目すべきは、山梨県富士吉田市のハーブ園「HERBSTAND」で栽培された、無農薬クロモジを蒸留して使用している点。クロモジ特有の爽やかな香りと、バニラやジュニパーベリーのシロップが織りなす、繊細かつ奥深い味わいは、一度体験したら忘れられないだろう。

ちなみにコーヒー豆は、「Beverage Director」の川嶋俊太郎氏監修によるオリジナルブレンドを使用。今後、自社焙煎のためのロースタリーの立ち上げも計画しているというから、コーヒーへの情熱は本物。

©日東興業株式会社

「食」を通して感じる
サステナビリティ

フードメニューも、「自然素材を生かす」ことにこだわっている。Etでは、環境への負荷を低減するだけでなく、食材本来の美味しさを最大限に引き出すことを目指しているという。

岩手県奥州市のパン工房「メゾン デュ ラミティエ」のサワードウを使用したタルティーヌは、国産小麦とライ麦の豊かな風味と、自家製天然酵母の香りが食欲をそそる一品。食材の産地や製造過程にまでこだわったメニューは、食の意識の高まりが顕著な現代において、多くの共感を呼ぶだろう。

©日東興業株式会社

カルチャーとコミュニティの交差点

Etは、空間デザインだけでなく、そのコンセプトにも、これからのカフェのあり方を示唆する重要な要素が詰まっているように思えてならない。同社は、「単にコーヒーが飲める場所ではなく、文化的な側面を内包するものであるべき」という想いから、「Cultural Coffeehouse」という言葉を掲げている。

近年、サードウェーブコーヒーの浸透などを背景に、コーヒー豆の産地や焙煎方法、抽出方法にこだわるカフェが増えている。が、Etはもう一歩先を行く。丁寧に選び抜かれた素材、洗練された空間、そして感性を刺激する体験の数々。

Etは、カフェという空間を通して、人々の感性を揺さぶり、下北沢に新たな文化とコミュニティを生み出すのではないだろうか。 2025年には2店舗目以降の出店も計画されているとのことで、今後の展開からますます目が離せない。

©日東興業株式会社

Et /エト ザ カルチュラルコーヒーハウス

【住所】東京都世田谷区北沢2-22-3 1・2F
【営業時間】8:00〜20:00
【座席数】1F 14席、2F 60席
【ペット】1Fのみペット可
【公式Instagram】https://www.instagram.com/ettheculturalcoffeehouse

Top image: © 日東興業株式会社
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