「気付かぬうちに、奴隷になっていませんか?」働くことの本質を考えさせられる社会風刺アニメ
社会風刺アニメが国際的にも認知され、いまや国際的な映画祭で数多くの賞を受賞する作品が次々に登場しています。ここに紹介するアニメも考えさせられます。とくに仕事のやりがいについて悩んでいる人には。
アルゼンチンで活躍するアニメーターSantiago Grasso氏の『el Empleo(働くこと)』は、のっけから違和感だらけ。そして、やってくる意外な結末。5分間の映像の後、あなたはどんな思いを抱くでしょう?
朝、目が覚めてまずは電気スタンドのスイッチを入れます。
洗面所で髭を剃る……そう、スタンドも鏡も“誰か”がその役割を果たしています。
身なりを整え、朝食をテーブルにセッティング。椅子もテーブルも、そして天井の照明すらも彼のために他人がそれを担っています。
移動のタクシーも、やっぱり人間。もちろん、信号機だって。
会社に到着すれば、自動で“人間ドア”が開きます。
こうなると、もちろんエレベーターだって、やっぱり“誰か”が!
ロッカーの中には、カバンとコートをかけるためだけの役割を担う女性がいます。
そして、自分のオフィスの前に到着した彼。なぜかドアを開けずに佇んだかと思うと…
なんとドアの前でうつ伏せに寝そべります。
すると、まもなく誰かが彼の背中を踏みつけ、靴底の汚れを落としてドアの中へと入って行きました。そう、彼自身もまた、誰かのための“モノ”となる役割を担っていた、というオチ。
不思議な没入感に浸るこのアニメのなかに、自分が社会で担っている役割についての本質的な問いかけがあるように思えてきませんか?「そもそも働くってなんだっけ?」見方によっては、そんなことまで考えさせられる作品ではないでしょうか。
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